〔ハイクふぃくしょん〕古い歌 中嶋憲武
〔ハイクふぃくしょん〕古い歌中嶋憲武『炎環』2013年10月号より転載珍しくフウカが付いて来ると言うので、一緒に出る事にした。私はジューダス・プリーストの黒い野球帽に、黒いTシャツにジーパン、赤のブロックチェックのすこしくたびれた綿シャツを羽織った。今はジーパンと言わないのだそうで、ジーパンと言うとフウカは笑って、デニムでしょと言う。ジーパンじゃないと、何だか感じが出ないので困るのだ。「何処へ行くの...
View Article【句集を読む】脈絡を崩す 武藤雅治『かみうさぎ』の一句 西原天気
【句集を読む】脈絡を崩す武藤雅治『かみうさぎ』の一句西原天気「はがき」に、近況や用件を書き、宛名を書いて、(官製はがきでなければ)切手を貼る。投函する。貰った人は字を眺め、消印に目が止まったりする。「はがき」はとても暮らしに近く、人に近い。まっさらの「はがき」もまた用途の未来が見えるので、暮らしに近く、人に近い。それに、あの大きさがよろしいです。てのひらから少しはみ出すくらいの。いちまいのはがきもこ...
View Article週刊俳句 第417号 2015年4月19日
第417号2015年4月19日■2014「角川俳句賞」落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る〔ハイクふぃくしょん〕■古い歌……中嶋憲武 ≫読む【句集を読む】■脈絡を崩す武藤雅治『かみうさぎ』の一句……西原天気 ≫読む■自由律俳句を読む 89岡田平安堂……馬場古戸暢 ≫読む■連載 八田木枯の一句春ふかし鰥といふはさかなへん……西原天気 ≫読む〔今週号の表紙〕うぶげ……西原天気...
View Article後記+プロフィール418
後記 ● 上田信治このバンド、Ian Dury & The Blockheadsのベースの人は、ノーマン・ワット・ロイと言います。いい名前ですよね。そうとう、いい名前。The Art Ensemble Of Chicagoの、マラカイ・フェイヴァースと並んで、忘れられない名前です。鳩です。●「オルガン」という雑誌が生まれます。...
View Article夢を読むこと にゃあにゃあにゃあにゃにゃあにゃあにゃあにゃにゃにゃあ(訳:夢は語る=騙ることができるのか、或いは夢の言説編制をずらす猫) 柳本々々
夢を読むことにゃあにゃあにゃあにゃにゃあにゃあにゃあにゃにゃにゃあ(訳:夢は語る=騙ることができるのか、或いは夢の言説編制をずらす猫)柳本々々夢は意志の手前にある、だから、眠りの閾を跨いだだけで、もう、おまえは意志の力ではなにものも得られない。(ポール・ヴァレリー、清水徹訳「夢について」『ポール・ヴァレリー全集9...
View Article自由律俳句を読む 90 浅野麗木 馬場古戸暢
自由律俳句を読む 90浅野麗木馬場古戸暢浅野麗木(あさのれいぼく、1888-1962)は、東京出身の自由律俳人。新劇俳優を志し、後に劇場の支配人となった。専門学校時代に上級にいた飯田蛇笏の影響もあって定型俳句をはじめたが、一碧楼に師事して『海紅』に参加。その後、『青い地球』によった。以下では数句を選んで鑑賞したい。少し風邪気味の女体に触れんとす...
View Article【石田波郷新人賞落選展を読む】 思慮深い 十二作品のための アクチュアルな十二章 〈第九章〉 田島健一
【石田波郷新人賞落選展を読む】思慮深い十二作品のためのアクチュアルな十二章〈9〉際限なく想像し、やわらかく現実に触れる田島健一≫2014「石田波郷賞」落選展09.採血の痕(寺田...
View Article今井杏太郎を読む9 句集『海鳴り星』(1) 小川楓子×茅根知子×鴇田智哉×生駒大祐
今井杏太郎を読む9句集『海鳴り星』(1) 小川楓子:楓子×茅根知子:知子×鴇田智哉:智哉×生駒大祐:大祐≫承前『麥稈帽子』 (1)春 (2)夏 (3)秋 (4)冬 『通草葛』 (1)春 (2)夏 (3)秋...
View Article週刊俳句 第418号 2015年4月26日
第418号2015年4月26日■2014「角川俳句賞」落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る■俳句関連書を読む『関西俳句なう』につっこむ (1)……佐藤文香 ≫読む■今井杏太郎を読む句集『海鳴り星』(1) ……小川楓子×茅根知子×鴇田智哉×生駒大祐 ≫読む■名句に学び無し、なんだこりゃこそ学びの宝庫(3)摑まり泳ぐ男を信じ海怖れ 山口誓子……今井 聖...
View Article【読者プレゼント】「オルガン」創刊号を小誌・週刊俳句よりプレゼント
【読者プレゼント】『オルガン』創刊号を小誌・週刊俳句よりプレゼント※ありがとうございます。在庫(小誌分10冊+オルガンのご厚意・数冊)が尽きましたので、5月3日 20:30...
View Article自由律俳句を読む 91 ロケっ子〔1〕 馬場古戸暢
自由律俳句を読む 91ロケっ子〔1〕馬場古戸暢ロケっ子は、インターネット上で活動している自由律俳人。2011年頃より、インターネット上で展開される定型俳句や自由律俳句の句会へ参加するようになった。「千本ノック」という自由律俳句のネット句会を主催している。以下では数句を選んで、鑑賞したい。まだ泳いでいたかったか喉の骨...
View Article〔ハイクふぃくしょん〕人蟻 中嶋憲武
〔ハイクふぃくしょん〕人蟻中嶋憲武『炎環』2014年10月号より転載兄が母に切りつけられたと聞き、急いで病院へ向かった。兄の病室へ刑事が出入りしているらしい。四月末のそろそろゴールデンウイークを迎えようかと云う、薄墨を溶いたような雲の光る、汗ばむような日だった。案内された個室へ入ると、兄は起きていて、上半身を起こし窓の向こうの陰気な空を見ていた。右肩から胸にかけて包帯がぐるぐる巻かれている。左の二の...
View Article【週俳4月の俳句を読む】ネヂ マイマイ
【週俳4月の俳句を読む】ネヂマイマイ4月の俳句楽しく拝読致しました。田楽の跡の皿掻く串の先 阪西敦子まるで鉛筆で描いた静物画のようだ。素材もありふれているし、特別に難しい言葉を使っているわけでもないが、実体をストイックに写しとっている。「届いて」はこのような写生句あり実から虚へ分け入っていくような句もあって読み応えがあった。街ぢゆうにネヂ軋ませて家具の恋...
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