後記+プロフィール 319
後記 ● 西原天気締切が31日消印有効という俳句か何かの賞の募集があったらしく(すっとぼけ)、その日、「間に合った」「間に合わなかった」の声がどこかしこから聞こえてまいりました。俳句の賞への応募なんて、そんなに必死こいてやるもんじゃないでしょう?...
View Article朝の爽波69 小川春休
小川春休69さて、今回は第四句集『一筆』の「昭和六十年」から。今回鑑賞した句は、昭和六十年の夏、梅雨入り前ぐらいの句。またしても年譜には特に記載のない時期ですが、スパンが短いので、まあしょうがないと言えばしょうがない。充実している時期だなぁ、という印象です。納戸に灯一つ垂れをり田水張...
View Article林田紀音夫全句集拾読 268 野口 裕
林田紀音夫全句集拾読268野口 裕雨傘をたたむひとすじ蜘蛛の糸平成二年、未発表句。傘をたたんだ拍子に、傘に引っかかっていた蜘蛛の糸がきらりと光りつつ揺れたか。芥川龍之介作の童話をも脳裡に宿らせたか。瞬間を切り取る技の冴えを見せた句。...
View Article10句作品テキスト 閒村俊一 しろはちす
閒村俊一 しろはちす蜃氣樓臭きを奥の間に通す湯島シンスケうぐひすや天神下にひとり酌む目借時お椀の舟に便乘す未亡人下宿春雷鳴りやまず春晝の鞠つきしまゝ老いしとかゆく春の小鰭ほどよきしめ加減柏餅われら赤胴鈴之助冷奴きつぱりとした心だて氣の重きことなり瀧を見にゆくは覺めぎはのかうかうとしろはちすのしろ●
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画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第319号 2013-6-2閒村俊一 しろはちすクリックすると大きくなりますテキストはこちら第319号の表紙に戻る
View Article週刊俳句 第319号 2013年6月2日
第319号2013年6月2日■2012 落選展 Salon des Refusés ≫読む■第3回 週刊俳句10句競作結果発表!! ≫読む■閒村俊一 しろはちす 10句 ≫読む…………………………………………………………■六月一日の夢 / 長崎編……玉簾 ≫読む■朝の爽波 69……小川春休 ≫読む■林田紀音夫全句集拾読 268……野口 裕 ≫読む ■後記+プロフィール……西原天気...
View Article後記+プロフィール 320
後記 ● 上田信治under constructionno.320/2013-6-9 profile■石井薔子 いしい・しょうこ若い頃加藤楸邨に師事。ブランクを経て「槌」に入会、同人。街」に入会、同人。句集『夏の谿』(2012.9かぷり)■瀬戸正洋...
View Article朝の爽波70 小川春休
小川春休70 花藤や母が家(や)厠紙白し 草田男 母が家(や)ちかく便意(べんい)もうれし花茶垣 草田男 厠にゆかりの二句だが句柄は全く異なる。 前句は格調も高く美しく心の籠った句だが、意表をつかれた思いで長く私の心を揺さぶり続けたのは後句である。...
View Article林田紀音夫全句集拾読 269 野口 裕
林田紀音夫全句集拾読269野口 裕滝落ちてやがて平らに水急ぐ平成二年、未発表句。「て」の繰り返しがやや耳にうるさく響くのを差し引いても、面白い着眼点。滝に背を向け下流を見つめる視線には、滝と、かつての苦しかった時代を重ね合わせる思いが潜んでいそうだ。下五の措辞がそうした感想をさそう。 もし、「滝」が季語でなければ、紀音夫好みの素材になり得たのではないか。そんな想像もこの句を読むと湧き上がってくる。...
View Article【週俳5月の俳句を読む】瀬戸正洋 相州は相模の國の足柄の
【週俳5月の俳句を読む】相州は相模の國の足柄の瀬戸正洋父の肺に異常が見つかった。全身に転移しているらしい。肺はその転移先のようだと言われた。医師は明日かも知れないし一年後かも知れないと言った。九十四歳の父は自宅で普通に生活をしていた。高齢なので痛みに対して鈍感になっているのかも知れませんねとも言われた。一ヵ月後に息子の結婚式があり治療するかしないか治療するならどんな方法があるのか話し合うことになった...
View Article【週俳5月の俳句を読む】上田信治 まるごと読む
【週俳5月の俳句を読む】まるごと読む 上田信治戒めの縄目あらはに桜の夜 菊田一平これは、素通りできない一句。どうしたって、伊藤晴雨か佐伯俊男あたりの景としか・・・横たへて長し艇庫のオールの柄...
View Article10句作品テキスト 石井薔子 ワッフル売
ワッフル売 石井薔子残る鴨川面は錆の花の泡白玉を水に放つや心揺れ箱一杯のレースハンカチ舌痛む鉄線花週に一度の肉の皿藤に触るワッフル売の紙帽子明早し重き時計を嵌めてより朝曇トングつかえる小抽斗パレードの後半雹にちぎれつつ水銀灯白じろ汗の出ぬ体岩礁の苔のぬめりの深き夏●
View Article10句作品 石井薔子 ワッフル売
画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第320号 2013-6-9石井薔子 ワッフル売クリックすると大きくなりますテキストはこちら第320号の表紙に戻る
View Article週刊俳句 第320号 2013年6月9日
第320号2013年6月9日■2012 落選展 Salon des Refusés ≫読む■第3回 週刊俳句10句競作結果発表!! ≫読む■石井薔子 ワッフル売 10句 ≫読む…………………………………………………………■成分表58 ロングトーン 上田信治 ≫読む【週俳5月の俳句を読む】 瀬戸正洋 相州は相模の國の足柄の ≫読む上田信治 まるごと読む ≫読む■朝の爽波 70……小川春休...
View Article後記+プロフィール 321
後記 ● 村田 篠under constructionno.321/2013-6-16 profile■秦 夕美 はた・ゆみ昭和13年、福岡生まれ。昭和33年「馬酔木」入会。「鷹」創刊同人、「渦」同人を経て、「豈」所属。個人誌「GA」発行。句集、エッセイ集30冊。福岡工業大学エクステンションセンター講師。現代俳句協会会員。■今泉礼奈...
View Article【週俳5月の俳句を読む】しなだしん 描写と世界観
【週俳5月の俳句を読む】描写と世界観 しなだしん去る5月、「紫」山﨑十生主宰の招きにより、「第九回彩の国秩父俳句大会」の講評をさせていただいた。選句した句の中に「書初の墨の匂いの体育館...
View Article【週俳5月の俳句を読む】川又夕 星が咲く朝
【週俳5月の俳句を読む】星が咲く朝 川又 夕早熟の果てがこの余韻なのだと、ベッドに溺れながら思いを馳せている。戒めの縄目あらはに桜の夜...
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