【週俳11月の俳句を読む】 ことりことりと 杉原祐之
【週俳11月の俳句を読む】ことりことりと杉原祐之週刊俳句11月に掲載の作品から一人一句ずつ引いてみた。俳句というのはやはり季題が利いていて作者の得意げな顔が表に出すぎない作品というのが好ましいのではないか、という思いを新たにした。閘門の照らされてゐる夜寒かな...
View Article再説「俳句の文語」(後編) 文語・口語の混用は、歴史的に正当である 大野秋田
再説「俳句の文語」(後編) 文語・口語の混用は、歴史的に正当である大野秋田346号 再説「俳句の文語」(前編)完了「し」再説 ≫読む237号「助動詞『し』の完了の用法」(以下「A稿」)283号「文法外の文法」(以下「B稿」)284号「俳句の文語」以下「C稿」) Ⅱ. 文語俳句にまじる口語...
View Article真説温泉あんま芸者 第12回 全世界目録 西原天気
真説温泉あんま芸者 第12回全世界目録西原天気この世界がもしも岩下志麻と若尾文子だけで出来ていたら、どんなにか素晴らしいだろう。しかしながら、ご承知のとおり、世界の成り立ちは、そうではない。世界は「いろいろなもの」で出来ている〔*1〕。 突如そこに砂浜があり茄子があり 村越...
View Article10句作品テキスト 小津夜景 ほんのささやかな喪失を旅するディスクール
小津夜景ほんのささやかな喪失を旅するディスクール三白眼のおとめごころや寒プリン脅迫文書かずにいるよ日向ぼこエレキいざ鎌風となることもなしとこしえと賭しあい冬のシェスタかな絵屏風の倒れこみたいほど正気食べごろのふゆいちご焼べ旅ごころさぼてんの棘抜かれある冬座敷わが機知のホットケーキを撫で斬りすマント脱ぐ劇的溺死かたどって文献学(フィロロジー)凍みいる路地のノマドかなもしももしも、なんて可能性がまだ残さ...
View Article10句作品テキスト 柿本多映 尿せむ
柿本多映 尿せむ水は音楽たとへば油零しけり豚に背広斜塔には枯向日葵鵙高音ためらひ傷を見せてやろ落椿夜は首を持ちあげて蛇の目に鏡は眩し過ぎないか怪盗王関の辺りで引き返す霜の夜はでんでん虫を考へるサイコロの目の出る方に雪ばんば葉牡丹は瞬くことを知らざりきやよ狐大斎原(おほゆのはら)に尿せむ●
View Article10句作品 柿本多映 尿せむ
画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第347号 2013-12-15柿本多映 尿せむクリックすると大きくなりますテキストはこちら第347号の表紙に戻る
View Article20句作品 小津夜景 ほんのささやかな喪失を旅するディスクール
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View Article週刊俳句 第347号 2013年12月15日
第347号2013年12月15日■2013落選展 Salon des Refusés ≫読む■柿本多映 尿せむ 10句 ≫読む■小津夜景 ほんのささやかな喪失を旅するディスクール 20句 ≫読む…………………………………………………………■「俳句」9月号「文語文法入門」に問う。再説「俳句の文語」(後編)文語・口語の混用は、歴史的に正当である……大野秋田 ≫読む【週俳11月の俳句を読む】杉原祐之...
View Article〔今週号の表紙〕第348号 商店街 山岸由佳
〔今週号の表紙〕第348号 商店街山岸由佳3年前の夏、この街に引っ越して来た。といっても、前に住んでいた家から歩いて20分くらいしか変わらない距離だ。でも、使う商店街が変わると気分は変わってくる。肩の力が抜けた自由な雰囲気の漂う街。ヘンテコなマネキンと目があってしまった。●週俳ではトップ写真を募集しています。詳細は≫こちら
View Article林田紀音夫全句集拾読 296 野口裕
林田紀音夫全句集拾読296野口 裕人の死に電工ニュース慌し平成五年、未発表句。電光ニュースが普通だろうが、エンジニアの紀音夫の中では電工ニュースなのかも知れない。訃報を伝えて文字が流れ去る。内部の電気仕掛けもまた慌ただしい。 ●スリッパ散乱きょう八月も終り平成五年、未発表句。荒っぽい措辞だが、句の光景とよく合っている。人の集まるところで見かけたのだろう。紀音夫ならば句会か、はたまた病院か。...
View Article自由律俳句を読む 23 『群妙』 〔2〕 馬場古戸暢
自由律俳句を読む 23『群妙』〔2〕馬場古戸暢前回に引き続き、『群妙』13号(2013年3月発行)掲載句の鑑賞を行う。そこにあすこに母が居るふるさと 田中利男「ふるさと」というのは、どうにも哀愁を漂わせていていけない。今は既にない母の面影が、ここかしこに残っているのである。幼な子の手を引いて妻は夕焼け...
View Article朝の爽波97 小川春休
小川春休97さて、今回も第四句集『一筆』の「昭和六十二年」から。今回鑑賞した句は昭和六十二年の秋、晩秋の頃。朝日文庫として復刻された『ホトトギス雑詠選集』について、「青」の昭和六十二年十一月号の「枚方から」では、春夏秋冬の部を揃いで二冊買いするよう強く勧めております。(前略)私は長年に亘ってこの選集を「写経」と称して月が替わるごとにその月の分を読み返して、好きな句はノートに書き出すことを続けてきた。...
View Article今夜は湯豆腐かおでんがよろしいです 五十嵐義知句集『七十二候』の二句 西原天気
今夜は湯豆腐かおでんがよろしいです五十嵐義知句集『七十二候』の二句西原天気「アットホームな雰囲気のレストラン」とかいった文言を聞くたびに、「何を言ってるんだ?」と思います。家庭的がいいなら、家で食事すればいいんじゃあないの、と。こんなことを言う私は、家で食べるごはんがだんぜん好きなのですよ。だから、 湯豆腐の欠けたる角をすくひけり...
View Article【おんつぼ・番外篇】2013年のフェアウェル〔前篇〕 西原天気
【おんつぼ・番外篇】2013年のフェアウェル〔前篇〕西原天気「おんつぼ」はウラハイで不定期に掲載しているシリーズです(≫こちら)。ここでは、2013年に他界した歌手・音楽家を偲びます。■1月1日沒 パティ・ペイジ Patti Page 1927年生まれパティ・ペイジ。なんとかわいらしい芸名でしょう! 本名はClara Ann Fowler。まずは、名曲・名唱「Old Cape...
View ArticleSUGAR&SALT 06 手を筒にして寂しけれ海のほとり 三橋敏雄 佐藤文香
SUGAR&SALT 06 手を筒にして寂しけれ海のほとり 三橋敏雄佐藤文香「里」2010年9月号より転載昭和衰へ馬の音する夕かな...
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