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Channel: 週刊俳句 Haiku Weekly
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10句作品 相子智恵 少年

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相子智恵 少年

凩や石もて潰す貝の殻

壁面緑化宙吊りの枯草も
 

京寒し五山の火床(ほど)を遠く見て
 

しぐるるや大学を抜け相国寺
 

太き咳して幼年は少年に
 

少年は自転車愛す冬紅葉
 

凩も楽し自転車立漕ぎに
 

結露の窓に落書きあまた十二月
 

果汁一パーセントのジュース冬の星
 

ゆでたまご黄身みどりなす聖夜かな


10句作品 樋口由紀子 もうすぐお正月

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樋口由紀子 もうすぐお正月

ちょっとした隙に溢れるお屠蘇かな

数の子に似ているもののあたりまで

黒豆の覚悟を決めた艶っぽさ

明日なら好きになれそう紅白膾

栗きんとんバツ一だとかバツ二とか

棒鱈はにせものらしいそうらしい

雑炊と雑煮のあいだ間違えて

重箱の底は開かなくなっている

第661号 冬薔薇 吉平保

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第661号 冬薔薇

吉平 保


撮影場所は東京都調布市の神代植物公園。ばら園の薔薇は、1959年アメリカロサンゼルス中央公園から80品種寄贈された。当時、東京都が計画中だった神代植物公園に「日米親善のばら園」としてこの薔薇を植えた。現在残っている薔薇は、13種になっている。





週俳ではトップ写真を募集しています。詳細はこちら

10句作品 福田若之 推敲 

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福田若之  推敲

夜明け前の上り電車を待つ厚着

雨漏りをやがては氷柱とも思う
 

寂しみは鯛焼きの鰓その陰り
 

三日月を冴えた水面に風が研ぐ
 

かわせみが雪の景色の枝に待つ
 

筆を執りながらに咳をこぼす夜
 

とっぷりと濡れて仕上がる焼き林檎
 

推敲の果てに海鼠の句が残る
 

曰く座の文芸だとかなべこわし
 

地吹雪にまた僕の影見あたらない

10句作品 岡田由季 内勤

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岡田由季 内勤

水仙花机汚さぬ花として

エコカーの音無きことも神無月
 

冬桜猫消えてゐる倉庫裏
 

マスクして試用期間のあとすこし
 

降誕祭ワカケホンセイインコ群れ
 

指ばかり動かしてゐる師走かな
 

冬の蜂バブル期の服死蔵せり
 

信楽の狸を撫でて年忘れ
 

時雨をり内勤の日のカーディガン
 

綿虫の印刷すこしずれてゐる


中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 ビートルズ「アイム・ダウン」

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中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
ビートルズ「アイム・ダウン」


憲武●ビートルズとしてのポールの曲って事で、すごい悩みました。なかなか1曲が決まらなくて。で、選んだのがこの一曲です。「アイム・ダウン」


憲武●この曲は、公式アルバムに収録されてなくて、のちに「パスト・マスターズ」というシングル版だけを集めたアルバムに収録される訳ですが、「ヘルプ」のB面として、1965年7月23日に発売されました。

天気●当時は知らなくて、あとになってから聞いたことはあるって曲。アルバムばかり聴いていたからですね。

憲武●ポールのノリがスゴイんですよ。「のっぽのサリー」でもラストに向かって滅茶苦茶に爆発していくんですけど、こっちの方が、より拍車がかかってる感じです。

天気●シェア・スタジアムのライブといえば、数年前でしたか、日本で上映されましたね。新宿で観ました。

憲武●はい。私も観ました。で、歌詞の内容は、なびいてこない恋人に向かって、イライラして、悶々として、どうしようもなく落ち込んでる男の叫びですけど、そういった悲しいことを楽しく歌ってるんですね。暗く嘆くんじゃなくて、明るく元気いっぱいに、怒り狂ってる。ロックン・ロールしてます。

天気●バラードやカントリーっぽいのを歌うときと、はっきり声を換えますね。

憲武●そうですね。ポールの喉にはエミュレータが内蔵されてるみたいですね。ポールのシャウトに対してジョンの肘でのグリッサンドの掛け合いが、さらに無茶苦茶な状況を作ってます。

天気●いい意味でヤケクソ。

憲武●この曲では、みんなハメを外してるんですが、リンゴのドラミングが、しっかりと手綱を引き締めてて、散漫にならずにいることが出来てますね。

天気●ほんと。自分たちの音が、歓声で聞こえない状況だろうに、リズムはかなりきちんとしている。

憲武●静かな曲をきれいな声で歌うポールもいいんですけど、力強く狂っていくポールのシャウトには、ゾクゾクする感じありますね。アイムダウンです。 


(最終回まで、あと875夜)
(次回は西原天気が推すポール・マッカートニーの1曲)

後記+プロフィール661

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後記 ◆ 岡田由季

今号は、ふだんと趣向を変え、週刊俳句の関係者(ウラハイ連載の執筆陣と、週俳当番)の有志の作品をお届けします。

週俳では年末年始の特集はあっても、あらかじめ用意しておくスタイルではないので、年末進行というものはありません。それでも、何だか年末に向け慌ただしくなるものですね。


それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.661/2019-12-22 profile

■相子智恵 あいこ・ちえ
1976年長野県生まれ。1995年、小澤實に師事。「澤」同人、俳人協会会員。第55回角川俳句賞受賞。共著に『新撰21』『虚子に学ぶ俳句365日』『子規に学ぶ俳句365日』『俳コレ』『新興俳句アンソロジー 何が新しかったのか』。

■樋口由紀子 ひぐち・ゆきこ
1953年大阪府生まれ。姫路市在住。「MANO」編集発行人。「バックストローク」「豈」同人。句集に『ゆうるりと』『容顔』。セレクション柳人『樋口由紀子集』。共著に『現代川柳の精鋭たち』。川柳Z賞受賞。川柳句集文学賞受賞。「川柳MANO」サイト 

■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。 

■吉平たもつ よしひら・たもつ
1946年生まれ。現代俳句協会、新俳句人連盟所属。句集刊行検討中。

■西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。笠井亞子と『はがきハイク』を不定期刊行。ブログ「俳句的日常」 twitter

 福田若之 ふくだ・わかゆき
1991年東京生まれ。「群青」、「オルガン」に参加。第一句集、『自生地』(東京四季出版、2017年)にて第6回与謝蕪村賞新人賞受賞。第二句集、『二つ折りにされた二枚の紙と二つの留め金からなる一冊の蝶』(私家版、2017年)。共著に『俳コレ』(邑書林、2011年)。

岡田由季 おかだ・ゆき
1966年生まれ。東京出身、大阪在住。「炎環」「豆の木」所属。2007年第一回週刊俳句賞受賞。句集『犬の眉』(2014年・現代俳句協会)。ブログ 「道草俳句日記」

週刊俳句 第661号 2019年12月22日

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661
20191222



第四回 「円錐」新鋭作品賞・作品募集のお知らせ


相子智恵 少年 10句 ≫読む

樋口由紀子 もうすぐお正月 10句 ≫読む

…………………………………………

福田若之 推敲 10句 ≫読む

岡田由季 内勤 10句 ≫読む



中嶋憲武✕西原天気音楽千夜一夜
ビートルズ「アイム・ダウン」 ≫読む

〔今週号の表紙〕冬薔薇……吉平保 ≫読む

後記+執筆者プロフィール……岡田由季 ≫読む


新アンソロジー『俳コレ』刊行のごあいさつ≫読む
週刊俳句編子規に学ぶ俳句365日のお知らせ≫見る
週刊俳句編『虚子に学ぶ俳句365日』のお知らせ≫見る


10句作品 浅沼璞 冬季十韻

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浅沼 璞 冬季十韻

スリッパのあまたぬがれて神の留守

神様がゐないみなとみらいライン

大根ひき虫歯できしりきしりとす

小春日のほこりとなりぬ蓄音機

つぶらなる丘の小春の子供たち

鼻先をみんな聖樹へふり返る

つけ髭のぶらさがりをる聖夜かな

壁一枚へだてクリスマスは眠る

駅ホーム端へ端へとゆくコート

すかすかのジャンパーなびかする軍港


後記+プロフィール662

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後記 ◆ 村田 篠

(Under Construction)


no.662/2019-12-29 profile

福田若之 ふくだ・わかゆき
1991年東京生まれ。「群青」、「オルガン」に参加。第一句集、『自生地』(東京四季出版、2017年)にて第6回与謝蕪村賞新人賞受賞。第二句集、『二つ折りにされた二枚の紙と二つの留め金からなる一冊の蝶』(私家版、2017年)。共著に『俳コレ』(邑書林、2011年)。

岡田由季 おかだ・ゆき
1966年生まれ。東京出身、大阪在住。「炎環」「豆の木」所属。2007年第一回週刊俳句賞受賞。句集『犬の眉』(2014年・現代俳句協会)。ブログ 「道草俳句日記」

■上田信治 うえだ・しんじ
1961年生れ。句集『リボン』(2017)共編著『超新撰21』(2010)『虚子に学ぶ俳句365日』(2011)共編『俳コレ』(2012)ほか。

西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。笠井亞子と『はがきハイク』を不定期刊行。ブログ「俳句的日常」 twitter 

■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。現在「月天」「塵風」同人、「百句会」会員。共著『子規に学ぶ俳句365日』(2011)。「Belle Epoque」

〔今週号の表紙〕第662号 太陽の塔 岡田由季

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第662号 太陽の塔

岡田由季


万博記念公園に現在も立っている太陽の塔、の後ろ姿です。

平成30年に耐震工事と内部再生が終わり、現在は予約すれば中を見ることができるそうです。



週俳ではトップ写真を募集しています。詳細はこちら

週刊俳句2019年アンソロジー 40名40句

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週刊俳句2019年アンソロジー 
4040


恐ろしく照つて脂の鰤切身  青山ゆりえ  第612号

黒人霊歌諸手で掴む冬の空  小西瞬夏  第613号

早起きやすでに割られてゐる氷  五十嵐筝曲   第616号

犬を野に不満の春をどうしよう  安田中彦  第620号 

お庭えんぶりおんこを丸く刈り揃へ  広渡敬雄  第622号 

花売って生きていけそう長電話  加藤綾那  第622号 

うしろより耳朶透けてゆく春日かな  高勢祥子  第623号 

手びねりの湯呑ぼつてり花粉症  金丸和代  第625号 

春の蚊を殺めてタイの麺料理  常原拓  第626号 

くびられて泡吹く赫いコカコーラ  佐藤りえ  第627号

椅子のない部屋が灯って鳥雲に  川嶋健佑  第628号

鹿の糞つややかにあり杉落葉  藤本夕衣  第629号

代掻きや足首にくる土の息  うにがわえりも  第631号

薔薇紅し大輪なるは俯き咲き  町田無鹿  第632号 

船酔ひやディズニーシーの春夕焼  谷村行海  第634号 

夕方が一番きれい麦の秋  津野利行   第635号

桜桃忌「どうにか、なる。」のなるのとこ  柳本々々  第635号 

腹当や大人の死を詠み泥む  山根真矢  第636号 

君は寝たのに紫陽花が鳴りやまぬ  岩瀬花恵  第637号 

宙を欲る鯨に海は摶たれたり  神山刻  第638号

母もその母も金魚を死なせけり  瀬戸優理子  第639号

夕顔やしるしの雨をわかちあふ  楠本奇蹄  第640号

獏はいつ眠るのだろう夏の雨  菅原はなめ  第641号

白墨を舐めて無口な人の秋  倉田有希  第642号

弾痕は維新の名残蔦青葉  玉貴らら  第644号

大河往く黒蝶の遠きサイゴン  五十嵐秀彦  第645号

標本の鯨の眼窩夏の果  若林哲哉  第645号

同じ田に椋鳥同じ木に帰る  クズウジュンイチ  第646号 

足元にからまつてゐる秋思かな  鈴木健司  第648号 

てのひらを懐しうする火もがな  田中惣一郎  第650号

茸獲るけ樵一刀の痕か  島田牙城  第650号

孔雀から梵字あふれて秋の風  青本瑞季  第651号

明け暮れの散らかる川を骨は葉に  青本柚紀  第651号

冬霧やスワンボートに囲まれて  井口可奈  第659号

子供にも旅荷ありけり石蕗の花  松本てふこ  第660号

神様がゐないみなとみらいライン  浅沼璞  第661号

重箱の底は開かなくなっている  樋口由紀子  第661号

凩も楽し自転車立漕ぎに  相子智恵  第661号

マスクして試用期間のあとすこし  岡田由季  第661号

推敲の果てに海鼠の句が残る  福田若之  第661号

(福田若之・謹撰)



【2019年週俳のオススメ記事 10-12月】単純ではない価値観 岡田由季 

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【2019年週俳のオススメ記事 10-12月】
単純ではない価値観

岡田由季


第650号(10月6日)は、特集『切字と切れ』。8月に刊行された高山れおな著『切字と切れ』(邑書林)をめぐる話題を中心に、切字と切れに関する記事が寄せられています。

相子智恵《書評 高山れおな『切字と切れ』を読む ネタバレが嫌な方は読まないでください》は、親しみやすい語り口で、本書の魅力を丁寧に伝えています。『切字と切れ』、話題の書だけれど未読、という方にも、良い橋渡しになる内容となっています。

著者を含む四名による《長大な座談会『切字・切れ』をめぐる諸々》は、本当に長大です。そして、読む前に、顔ぶれからも想像がつきますが、収束しません。そもそも座談会というのは簡単に結論が出る性質のものでもありませんし、それぞれの方の知見や論に触れることで、多くのヒントが得られるのでは、と思います。

評論集『切字と切れ』自体は、検証の過程が詳細で、長い評論ではありますが、拡散的ではなく論旨がすっきりしています。私自身は不勉強で総合誌の特集などを読まないためか、それとも周囲にキレキレ言う人があまりいないせいか、「平成俳壇を覆った強迫観念」というものにあまり実感はなかったのですが、各時代に切字と切れがどう語られてきたか、冷静にかつ詳細に記述されており興味深かったです。


第651号(10月13日)では、青本瑞季さん、青本柚紀さんに作品と文章を寄せていただいています。瑞季さんと柚紀さんは双子の姉妹と伺っています。双子というのはそれだけで目立ち、セットで扱われてしまったり、比較されてしまったりと大変なことも多いと想像します。しかし俳句という同じ表現形式を選ばれている限りは、読者としてはどうしても、どのように差異のある、もしくは近い特徴をもった作品が展開されるのか、注目してしまうものです。お二人に共通する手法の特色については、上田信治《青本さんたちに、二人で出てもらった理由》に解説があります。


第653号(10月20日) この号の【空へゆく階段】№20では、田中裕明は、波多野爽波の作品を挙げながら、爽波の重視した「俳句を授かるスピード」について書いています。

 言葉の生まれるスピードが詩の純度である。

裕明が爽波から何を学んだかということは、多くの人にとって興味深いテーマでしょう。


第654号(11月3日)には、【週俳9月の俳句を読む】が6本も並んでいます。この「読む」の記事は、週刊俳句の当番全員が、それぞれ心当たりの各方面に寄稿を依頼します。何分、締め切りまで短期間で謝礼もなし、という失礼なお願いで、当たり前ですが全てが叶うという訳でもなく、時期も多少前後するので、記事が少なかったり、この号のように集中することもあります。偶然とはいえ、同じ作品が多くの方の違う視線から語られるのを目にすることは、愉しいものです。


第655号(11月10日) は、恒例、角川俳句賞の落選展です。本年は11名の方に作品をお寄せいただいています。今年の落選展、鑑賞記事がいまのところ出ていませんが、今後に期待します。


歌人の小池純代さんによる【七七七五の話】は、何とも粋な、大人の雰囲気を纏っている連載です。第654号の《第5回 涙香と白秋》、第658号の《第6回 思い切る瀬と切らぬ瀬》で都々逸という言葉の説明があります。

 卑俗な出自は裏返せば即、洗練の極みとなる

との記述が印象的。白か黒かというような単純ではない価値観に惹かれます。


【2019年週俳のオススメ記事 4-6月】 批評✕批評 西原天気

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【2019年週俳のオススメ記事 4-6月】
批評✕批評

西原天気


4月は何かとスタートの月、ということでいえば、第624号の《三島ゆかり『合本俳句歳時記 第五版』を読む》はそれにふさわしい記事。新版歳時記をレビューしてコンパクトかつ興味深い展開。

625には、ずいぶん久しぶりの《上田信治 成分表》。
ある人は、作品世界を「自分用」の場所に変容させるということをする。/たとえば、それは「自分用」のショーケースのようなものを、記憶のそこここに設置するという遊びだ。
小津夜景《深さの図学をめぐるスケッチ 岡田一実『記憶における沼とその他の在処』を読む》は『らん』第84号(2019年1月)からの転載としてこの625に。
このように、作者の目は〈深さ〉の図学を探究することにいささかの余念もない。とはいえ見ることは、本来割り切ることのできない曖昧で不分明な経過だ。見れば見るほど世界はその目をのがれ、見る者の立つ場所さえも危うくする。
ちなみに、注目のこの句集については、第599号(2018年10月14日に《堀下翔 文彩は快楽ぞ、ゆめ溺るな》、第621号(2019年3月17日)に《上田信治 万華鏡のような句集》と、過去バックナンバーに2本の句集評。そちらも併せてぜひご一読を。

不定期のシリーズ《俳人インタビュー》、626に小野裕三さん(ロンドン滞在中)への《10の質問》。

なお、629には、ニューヨーク在住の《月野ぽぽなさんへの10の質問》。

そういえば、この時期、創刊記念のオフ会があってもよかったのですが、私は、すっかり忘れていました。特別なことを考えなくても、毎週、新しい号が出る、ってのはそれでそれで素晴らしいことなんですが、来年、再来年は、何か考えてもいいですね。

閑話休題。628 岡村知昭《神上がりましぬ》。4月に逝去された俳人・中島夜汽車氏の最後の句集『銀幕』から一句を取り上げます。

631に上田信治による【二つの爽波論】。《俳句とアニミズム 原始彫刻と怪人の笑い》《俳句のライトヴァース 速度がもたらす直接性》。それぞれ『澤』2018年7月号、『傘』2号(2011年)からの転載。

632には《上田信治 それは通俗性の問題ではないか?》。掲載直後から多くの議論を呼びました。634《山口優夢「第二芸術論、第二芸術論とうるさく言ってしまいました」『俳句』2019年6月号を読む》でも同誌掲載の「神野紗希 現代俳句時評6 ミューズすらいない世界で 俳句とジェンダー(上)」に触れ、上田信治自身もその後、第636号に《ふたたび通俗性について》を寄稿。さらにその後(2019年7月21日)639には《福田若之〈文学的〉な問いを退けて 神野紗希の時評から考える》。

なお、田中裕明の転載シリーズ【空へゆく階段】(解題:対中いずみ)は、第624号627628630632633 と、この時期(4月~6月)多く転載させていただきました。
地図を眺めていると自分が何を見ているのかわからなくなることがあって、そういうときには海岸線をたどるためにおろした指がもう動かない。音楽をそういうふうに聴くこともある。部屋を暗くしてレコードをかけて座っているといつのまにか雨の音を聴いていて、それでカーテンからのぞくと日が暮れていたりするから、そんな夜は眠れない。(第633号「夜の形式」)
また、柴田千晶さんのシリーズ転載【歩けば異界】は原則月末に掲載。627に第2回渚町、631に第3回大滝町、第636号に第4回女化(おなばけ)。
地中に半分ほど埋まった鳥居の向こうで、三匹の子狐が私を見つめている。もう引き返さなければ。でも帰り道がわからない。(女化)
書き下ろし、依頼記事、緊急寄稿、紙媒体からの転載と、週刊俳句はこれからも融通無礙に幅広く、自由気ままな誌面をめざしてまいりますよ。

ラヴ&ピース!

【2019年週俳のオススメ記事 1-3月】WEB雑誌にできること 村田 篠

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【2019年週俳のオススメ記事 1-3月】
WEB雑誌にできること

村田 篠


今年は第611号から始まりました。過去最高の161人のみなさんの新年詠が並ぶ画面は壮観です。新年詠は1句ごとに作者が違う句が並ぶことで、句柄がことによく現れるような気がして、毎年楽しみに読ませていただいています。

かつてさまざまな紙媒体に執筆された田中裕明さんの文章の転載が、第612号から【空へ行く階段】というシリーズタイトルで始まりました。対中いずみさんが初回の解題の中でこんなふうに書かれています。

 「空へゆく階段」(田中裕明の文章集)を毎月2回、連載していただくことになりました。かつて、同人誌「静かな場所」2~6号で、田中裕明の各句集拾遺句と各句集時代の文章を集めましたが、もう発行所にも在庫がありません。WEB上に残し、田中裕明ファンに、俳句甲子園OB世代に、あるいはまだ生まれていない未来の若者に届けたいと願います。
中の人間として、裕明ファンとして、うれしい言葉でした。なかでも第618号掲載の「雑詠鑑賞」では、「批評」ということについての文章から始まって、俳句という短い文芸を「読む」こととは、と考察が広がってゆき、鑑賞を忘れないけれど鑑賞に終わらない思索になっていて、確かな読み応えがあります。

第616号には、久しぶりに小誌・上田信治の「成分表」。祝詞の声に着目し、「声」と「空間」の切実な関係について書いています。

 祝詞は、あの発声で、空間的なものを、いきなり立ちあげる。そして、そこにいる私たちを、共同的な記憶の場に参入させる。典型を迂回すれば「自分の」祝詞になると考えるのは素人の発想で、何かを取り除いたら、同時に何かを持ち込まなければ、表現は成立しない。あの発声を使わずに神掛かろうとしたら、おそらくよっぽどの切実さが必要だし、同時に、スタイルの発明が行われなければならない。

第623号からは、柴田千晶さんの【歩けば異界】の連載が始まりました。独特の地名に触発されて書かれた文章ですが、実際に作者が足を運んた場所としてのリアルが伝わってきます。もちろん現在も連載中で、楽しみにしているシリーズです。

この期間の【句集を読む】は、第621号で上田信治が岡田一実さんの『記憶における沼とその他の在処』を、第623号で岡田由季が渡邉美保さんの『櫛買ひに』を読んでいます。自分がどなたかの句集を読んで選句し、感想を書くと、結局いつも(自分にとっては)同じことを書いていることに気づいてしまい、もちろん未熟だからなのですが(でもそれは、先述【空へ行く階段】の中で田中裕明が「批評とはつまるところ他人の作品を借りて自己を語る行為だと考えれば」と書いているように、そういうものなのかもしれず)、だからこそ、自分以外の人がその句集をどう読んだのかを読むのは興味深く楽しいものです。

最後になりましたが、この期間に10句作品を寄せて下さったのは、第612号に青山ゆりえさん、第613号に小西瞬夏さん、第616号に五十嵐箏曲さん、第620号に安田中彦さん、第622号に広渡敬雄さんと加藤綾那さん、第623号に髙勢祥子さんでした。今年のアンソロジーで1句ずつご覧になれますが、改めて10句作品をお楽しみいただければ、と思います。


2020年 新年詠 大募集

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2020年 新年詠 大募集

新年詠を募集いたします。

おひとりさま 一句  (多行形式ナシ)

簡単なプロフィールをお添えください。

※プロフィールの表記・体裁は既存の「後記+プロフィール」に揃えていただけると幸いです。

投句期間 2020年11日(水)0:00~14日(土) 12:00 正午

※年の明ける前に投句するのはナシで、お願いします。

〔投句先メールアドレスは、以下のページに〕
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2007/04/blog-post_6811.html

週刊俳句 第662号 2019年12月29日

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662
20191229


第四回 「円錐」新鋭作品賞・作品募集のお知らせ


2020年 新年詠 大募集 ≫見る

〔2019年週俳のオススメ記事
1月~3月 WEB雑誌にできること……村田 篠
 ≫読む
4月~6月 批評×批評…… 西原天気 ≫読む
7月~9月 ……上田信治 ≫読む
10月~12月 単純ではない価値観……岡田由季
 ≫読む

週刊俳句2018年アンソロジー 4040
……福田若之・謹撰 ≫読む

〔今週号の表紙〕太陽の塔……岡田由季 ≫読む

後記+執筆者プロフィール……村田 篠 ≫読む

 
新アンソロジー『俳コレ』刊行のごあいさつ≫読む
週刊俳句編『子規に学ぶ俳句365日』のお知らせ≫見る
週刊俳句編『虚子に学ぶ俳句365日』のお知らせ≫見る

【2019年週俳のオススメ記事 7月~9月】句集評がたくさん……上田信治

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第637号から、歌人・小池純代さんの、月イチシリーズ、「七七七五の話」がはじまります。

七七七五は、都々逸の形式。シリーズは、たとえばマラルメや「詩経」の詩句を、都々逸形式に翻案しながら、十七音でも三十一音でもない「うた」を試しつつ遊びつつ、進んで行きます。必読。

同号に『今井杏太郎全句集』を読む会。西村麒麟、福田若之、小川楓子、生駒大祐、鴇田智哉による、この作家を考えつづけることの意思表明ともいうべき会の記録。

の「週俳6月の俳句を読む」。牟礼さんの〈鞄に犬静かな六月の電車 柳本々々〉が「詩経「六月」の詩句〈六月棲棲/戎車既飭〉を下敷きにしている」との指摘におどろく。

同じく柳元佑太さんの「時評に少し触れて」の、上田時評への擁護に感謝。

福田若之さん「〈文学的〉な問いを退けて──神野紗希の時評から考える」。神野紗希「俳句」2019年6月号の時評のジェンダー論から、論点をずらして拡散させてしまって、それでいいのか、という指摘。



「作者と語る『水界園丁』」生駒大祐×福田若之

今年のエポックと言っていい句集について、作者と、福田さんが語りあう。思ったんですけど、生駒さんは、今、俳壇屈指の「すごい顔」をしていると思う。あんな目をしてる俳人、同時代にいないですよ、もう。


中山奈々「溜まりて 対中いずみ句集『水瓶』第7回星野立子賞受賞祝賀会レポート」は、祝賀会の第一部、句集を〈語る〉会の記録で、仮屋賢一、青木亮人、津川絵理子の3人のスピーカーによる読み解きの詳細な記録。

対中いずみさんによる「空へゆく階段」(田中裕明の短文の拾遺とその解説)も、続いていて、われわれ後進のものに大変ありがたい。



には、上田信治「エスペラントの夢 俳句の批評は役に立つのか」。今年の夏から秋にかけて、自分は、ずいぶん文章を書きましたが、こんなことも考えていたという。

西原天気さんの「句集を読む」シリーズは「ふけとしこ『眠たい羊』の一句  首を打つ」。

いっけんすんなり見たままを詠んだようでいて、多声的(ポリフォニック)な仕掛けが凝らされて、愉快。

これはたいへん楽しませていただいた句集。


中島憲武さんの第0句集「祝日たちのために」の刊行を記念して「音楽千夜一夜」は、E・コステロの「Everyday I Write the Book」のカバーについて。最終回まで、あと892夜だそうです。



天気さんの「句集を読む」シリーズは、鈴木牛後さんの『にれかめる』の一句。この句集はほんとうに話題になりました。



上田の連続投稿、生駒大祐さんの「『水界園丁』の方法について(前編)プレテキストと複雑」

2019は『眠たい羊』『水界園丁』『楡の茂る頃とその前後』(藤田哲史)『星糞』(谷口智行)『朋哉句集 二』(若杉朋哉)と、他にもいろいろ出て、楽しかったです。



には、天気さんの、樋口由紀子『めるくまーる』津田ひびき『街騒』、雪我狂我『アラバマの月』それぞれよりの一句評。


には、上田の生駒句集評の後編「死と友情」。「通俗について」もそうなりましたが、1万字くらい書くと、言いたいこと言い切ったとなります。


柴田千晶さんの「歩けば異界⑦」は「別海」。北海道の道東に位置する町名。こんなところにまで行かれてるんですね。短いですが、ぞくりとさせます。必読もの。ラストに置かれた西川徹郎の句もまたよし。

「人間とはくだらないものだ、だがそのくださなさのどこが悪いのか」という声がどこかから聞こえてくる」は、小津夜景さんによる「小川軽舟句集『朝晩』」の評よりの一文。

なるほど、と思いました。







2020「週刊俳句」新年詠テキスト版

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2020「週刊俳句」新年詠


初夢は長めにバルビツール系    ゆなな子
改元の空はそらいろ蒲団干す   矢作十志夫
徹夜明け実験棟の嫁が君      渕上信子
江ノ電や雀隠れに海光る      藤崎幸恵
年祝ぎに陀羅尼助丸派がゐたる   中山奈々
若菜野へ髪やはらかく束ねけり   岸本由香
元日やしつくりこない老妻の言   瀬戸正洋
初旅や成仏をせぬ母連れて    市川綿帽子
永久機関 世界史 大鷲の虚しきフォルム  宇井十間
切ないぞ鎌鼬との別れ際     竹内宗一郎
西暦はイエスの齢初日の出     笹岡大刀
うすがみをはぐやうにして初明り  鈴木茂雄
手掴みに食ふ数の子も新年詠    マイマイ
読初や♨にゆじるしとルビ     岡田一実
タマシイが貘枕からだだ漏れす 赤羽根めぐみ
日めくりの暦分厚く寝正月      KAZU
漂着の宝船敷く明日あれと    五十嵐秀彦
初日浴ぶ六十歳の握り鋏      玉田憲子
潜望鏡見え初凪の日本海    すずきみのる
元旦やR2-D2二代目中の人     赤野四羽
絵馬と絵馬交差している淑気かな   Fよしと
源流の水の凍らぬ淑気かな     広渡敬雄
島国になにはともあれ初日かな   平野皓大
元日の笑つて聞こえないラヂオ    中矢温
つぎはぎの陶器を満たす去年今年  飯田冬眞
ボルゾイを二頭連れたる初景色   大島雄作
の冬過度川二級俳人事件      中内火星
大いなるしじまめでたき大旦    杉田菜穂 
有史以前帰化せし仏の座を摘めり  谷口智行
轢死して神寂る蛇初薬師       森青萄
シートベルトよ初旅のすべすべの 西生ゆかり
海光の鳥から人に流れけり      曾根毅
初鳩の揃つて向ける肉の鼻 クズウジュンイチ
新年のやうにファシズム迎へるか  西川火尖
公園で遊ぶ父子やお元日      杉原祐之
屠蘇酌みしピアスの揺れてゐたりけり 齋藤朝比古
憂国や餅も具もみな煮崩れて      今朝
他事ながら我は女ぞ結び昆布    池田澄子
内職も間食も好き嫁が君      篠崎央子
ぢらいくわ に にて きけん なり よめがきみ  高山れおな
二日から遊べば父がさびしがる   福田若之
恵方道太き指弾く駅ピアノ     隠岐灌木
火を焚けば火の匂ひして初山河  青木ともじ
初景色山羊ゆつくりと食べ尽くす  岡田由季
元日の銅像 おどりだすこども     八鍬爽風
読初めの憲法前文愛の文字    吉平たもつ
枕よりはみ出してゐる宝船    森脇由美子
少女らにほのかな野心初御籤     髙木小都
斎の波を鎮めて初日の出      石原日月
宿場町過ぎて雑煮の餅売れり   三島ちとせ
乗り初めのベトナム人に囲まれる 小林かんな
歌姫の口パクなれど嫁が君     犬星星人
嫁が君つぼうちねんてんアンパンマン 大井恒行
楪やわけても手首あたたかし    山口昭男
一年に一度の道を二日かな     柏柳明子
初夢やふらっとふらふら弱視とか  阪野基道
子や神の糞もて黄金食ならめ    九堂夜想
座り初む首を支へて初御空    西山ゆりこ
転居先不明の年賀二枚ほど     月波与生
かへりみて築地なつかし嫁が君   小川軽舟
去年狂気今年正気であれ巨人     橋本直
飛行機の眼下かたむく雑煮椀     浅沼璞
新年の(火を貸してください)枯野  高梨章
鳩サブレのふくよかな胸福寿草    金子敦
果物に濡れて包丁始かな     月野ぽぽな
門礼のやりとりの脇通り過ぐ    柘植史子
荻窪を人は忘れて二日粥      生駒大祐
手裏剣のごとくつらなる初神籤  村上瑠璃甫
去年に敷くしとねへ吾をかへしけり  神保と志ゆき
姉様と駅に別れる二日かな     阪西敦子
去年今年雪平の柄のゆるみそむ   斎藤悦子
元旦の髪ふはふはと風呂屋出づ   中西亮太
リフティング落とさぬ墓守ゐて三日  藤尾ゆげ
トーレコよチ治明けましておめでとう 野口裕
ノンベジターリー咖喱五種盛りお元日 村越敦
大欠伸して淑気に味のようなもの  武智しのぶ
日の当たる山へ近づく初詣    津川絵理子
高度一万機長のハッピーニューイヤー しなだしん
雪原にゐたよ末尾は2020     小川楓子
湯気立や築山めける榛名富士   前北かおる
あらたまの空き地に荒き水仙花   堀本裕樹
本能に責任転嫁初明かり      岡村知昭
コロ助の刺繍を胸に初仕事     瀬名杏香
銭湯にあたらしき富士四方の春  宇志やまと
冬星のひとつ終焉近づきぬ     常盤 優
火ひとつ燃えてをるなり去年の闇  ハードエッジ
元日を眩し眩しと泣くこども    箱森裕美
初鏡まづは心を整へて       内村恭子
正月の凧にあずけている利き手    藤田俊
去年今年やはらかく張る犬の腹  細村星一郎
正解を探つてゐたり初御空     鈴木健司
借りもののナイフ俎始かな     千野千佳
正月のばば抜きは真剣にせよ      龍翔
目の端に机の端に去年の文     黒岩徳将
夕映にねむる元日箒かな      彌榮浩樹
去年今年伯父の動かぬ左側     紀本直美
鳥総松明るい方へ人が寄り     依光正樹
水鳥や映りて音のない景色     依光陽子
買初や携帯電話翳したる     望月とし江
御降の音ふくらみて耳の中    松本てふこ
正月も友達とゐて犬もゐる    宮﨑莉々香
火が匂ひ灯の香りたる宵の年    下坂速穂
池へ来る鳥を数えて初詣     岡本飛び地
新年の挨拶上手き子供かな   小久保佳世子
刻々と動く地球や初日の出     高橋透水
I love you, earth, you are beautiful 去年今年 雪我狂流
目瞑りて青き地球の初湯かな    松野苑子
御鏡の縮むる音か部屋の奥     大西主計
喧嘩独楽それぞれひかり溢しつつ  田邉大学
ナショナルの電気毛布をキョンの鳴く 鴇田智哉
初星の下に灯油を汲みてをり    若林哲哉
黒豆や孫たちまちに美中年     楠本奇蹄
三日世界のトレンドはworld war 3   関悦史
さう言へば人形町が初句会     西村麒麟
手は鳥を知らずつめたい紙の束   山岸由佳
若僧の筆つつましき二日かな    森崎公平
初日拝むベランダ可燃ごみの袋      近恵
元旦のわたしのはうを向く時間  宮本佳世乃
嫁が君『The Annotated Alice(詳注アリス)』を横断す 北川美美
あらたまの令和二年のつるっつる  鈴木牛後
凧揚の父すつ転ぶ汀かな       中嶋憲武
初夢の華僑の街を押し通る      大塚凱
はしたかのすずしろに露滂沱たり  田中惣一郎
経糸の牽固くして機初め      仲田陽子
あらたまの鼠の出家する草紙   石地まゆみ
飴色玉ねぎの色濃くて四日    姫子松一樹
ことごとく余白と知りぬ初明かり  小津夜景
渋滞を抜け初晴の渚まで       森瑞穂
なんなりとけがもしませうはつごよみ  琳譜
読初に二十歳の頃の愛読書     小池康生
輪飾のありぬ空家と思ひし家     林雅樹
消防団詰所にあかり年新た    大井さち子
門松のうしろにまはれるか今さら  山田耕司
鉄橋の赤の錆びゆく初御空      常原拓
年立つや鬼も笑ひし鬼ごつこ    青島玄武
まつさらな雪撫づるごと初日記    佐復桂
もう来ない人のデスクの古暦    小林鮎美 

ちちははの鼻梁麗し初日の出    近江文代
 

〔今週号の表紙〕第663号 クロガネモチ 岡田由季

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第663号 クロガネモチ

岡田由季


赤い実をつける木はいろいろあって、似通ったものもあり、覚えるのが難しいです。
図書館の横で、ぎっしりと実った赤い実を輝かせていたこの木は、クロガネモチです。名札が付いていましたから間違いありません。
名前の語呂合わせから、金運アップのおめでたい木で、庭木に好まれるそうです。街路樹でもよく見かけるように思います。




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