自由律俳句を読む 120 「鉄塊」を読む〔6〕 畠働猫
自由律俳句を読む 120 「鉄塊」を読む〔6〕畠 働猫前回に引き続き、「鉄塊」の句会に投句された作品を鑑賞する。今回は第八回(2012年12月)から。◎第八回鍛錬句会(2012年12月)よりイタチ轢き殺したやつにもしぐれ...
View Article【句集を読む】なつかしい映画 柏柳明子句集『揮発』の一句 西原天気
【句集を読む】なつかしい映画柏柳明子句集『揮発』の一句西原天気いまの映画館は椅子は快適だし観客席に勾配がついているので前の人の頭が気になることもありません。ただ、いくつか疑問があります。上映の前に延々と流れる予告、さらには観る際のマナー説明。いつまで経っても本篇が始まらない。それから、十数人しかいないのに「指定席」。昔話をすると嫌われますが、私が十代の頃は、映画の途中から観るのは当たり前。禁煙じゃな...
View Article【句集を読む】スケールが引き起こすもの 矢野玲奈句集『森を離れて』の一句 西原天気
【句集を読む】スケールが引き起こすもの矢野玲奈句集『森を離れて』の一句西原天気地球儀はつるりと丸し蝸牛...
View Article【週俳10月・11月の俳句・川柳を読む】木だけが生きている いきること・とがること・まつこと 柳本々々
【週俳10月・11月の俳句・川柳を読む】木だけが生きているいきること・とがること・まつこと柳本々々木だけが生きている。(ベケット、安藤信也・高橋康也訳『ゴドーを待ちながら』白水社、1990年、p.170)千倉由穂さんの「器のかたち」を読んでいて、〈きっさき〉というものを感じたんですね。この連作は、「木だけが生きている」世界なんじゃないかと。「木だけが生きている」世界っていうのはどういうことかというと...
View Article【週俳10月・11月の俳句・川柳を読む】舌、人魚、鮫の震える世界 佐藤りえ
【週俳10月・11月の俳句・川柳を読む】舌、人魚、鮫の震える世界佐藤りえ竹岡一郎さんの『進メ非時悲ノ霊ダ』三部作を興味深く読んだ。言わずもがなのことではあると思うが、タイトルは第二次世界大戦中に大政翼賛会が掲げたスローガン「進め一億火の玉だ」の捩りである。重ねて言えば前後編のタイトル直後の詞書も、第二次世界大戦中のプロパガンダを捩り、こてんぱんに無意味化したような惹句となっている(パアマネントはやめ...
View Article【週俳10月・11月の俳句・川柳を読む】(いま)(わたし)たいやきかもしれない 小林苑を
【週俳10月・11月の俳句・川柳を読む】(いま)(わたし)たいやきかもしれない小林苑をたいへん丁重ではあったのですが、つまりなんか書けっていうから、いいよって返事をした。返事をしたからには書かなきゃいけないんですが、困った。なんどもなんども読んでいるうちに、『およげたいやきくん』が頭の中で鳴りだしたというか、止まらなくなった。そもそもはわかめのせいかもしれない。端から (なな子、社長ほか代用可)...
View Article【週俳10月・11月の俳句・川柳を読む】柳人・このわかめ的なるもの 飯島章友
【週俳10月・11月の俳句・川柳を読む】柳人・このわかめ的なるもの飯島章友文芸評論家・劇作家・演出家の福田恆存は、自身のことを「カソリックの無免許運転」と言っていた。福田めかして言うならば、文芸としての川柳は〈五七五の無免許運転〉である。したがって柳人は〈五七五の無免許運転者〉と言える。ここでいう無免許とは、俳句でいう季語のような〈その文芸の表現を支えるツールがない〉ということだ。まあ、それが川柳の...
View Article名句に学び無し、 なんだこりゃこそ学びの宝庫(20) 今井聖
名句に学び無し、なんだこりゃこそ学びの宝庫 (20)今井 聖 「街」第114号より転載蚤虱馬の尿する枕もと 松尾芭蕉 「芭蕉自筆本。曽良本」(1689年)なんだこりゃ。...
View Article10句作品テキスト 狐罠 西村麒麟
狐 罠 西村麒麟鳥好きの亡き先生や冬の柿天上の人の愛でたる茎の石近くから近くへ飛ぶや寒烏冬ぬくし水ぎりぎりを蟻が行き水浅きところに魚や夕焚火真つ黒に錆びてゐるのが狐罠水仙や長距離を行くフリスビー鮟鱇の死後がずるずるありにけり牡蠣船や谷崎ほどの恋はせず紙振つて乾かしてゐる十二月●
View Article10句作品テキスト 壮年の景 角谷昌子
壮年の景 角谷昌子 夭折にあこがれしこと石蕗の花ざくざくと落葉踏みゆきことば欲る北風の鳴ってゐるなり薔薇の蔓ぬつそりと獣道から冬帽子壮年の景甲斐駒を雪が攻む駅蕎麦の湯気に顔伏せ雪催なにやらの獣骨脆し枯野原冬座敷襖の虎を割つて入る雲呑の具の透けてゐる夜の霜眠れぬ夜つばさ音なくふくろふ来●
View Article10句作品テキスト 以後 太田うさぎ
以 後 太田うさぎ闇鍋の蓋の大きな明石かな小春日や暮るるにまかす山の影葉牡丹に日の差す伊勢の漬物屋固まつて落日以後の海鼠たち小田原に広げる夜着は鶴の柄廻廊や寒き柱に手を置いて沛然と雨の港区神の留守おのづから夜は広がり浮寝鳥自転車の素手の時雨れてゆくばかりかかるほどに蠟月闌くるをぐらあん●
View Article10句作品 壮年の景 角谷昌子
画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第452号 2015-12-20壮年の景 角谷昌子クリックすると大きくなりますテキストはこちら第452号の表紙に戻る
View Article10句作品 狐罠 西村麒麟
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第452号2015年12月20日■2015 角川俳句賞落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る■角谷昌子 壮年の景 10句 ≫読む■太田うさぎ 以 後 10句 ≫読む ■西村麒麟 狐 罠 10句 ≫読む……………………………………………■名句に学び無し、なんだこりゃこそ学びの宝庫(20)蚤虱馬の尿する枕もと 松尾芭蕉……今井 聖 ≫読む【週俳10・11月の俳句・川柳を読む】■飯島章友...
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