壮年の景 角谷昌子
夭折にあこがれしこと石蕗の花
ざくざくと落葉踏みゆきことば欲る
北風の鳴ってゐるなり薔薇の蔓
ぬつそりと獣道から冬帽子
壮年の景甲斐駒を雪が攻む
駅蕎麦の湯気に顔伏せ雪催
なにやらの獣骨脆し枯野原
冬座敷襖の虎を割つて入る
雲呑の具の透けてゐる夜の霜
眠れぬ夜つばさ音なくふくろふ来
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夭折にあこがれしこと石蕗の花
ざくざくと落葉踏みゆきことば欲る
北風の鳴ってゐるなり薔薇の蔓
ぬつそりと獣道から冬帽子
壮年の景甲斐駒を雪が攻む
駅蕎麦の湯気に顔伏せ雪催
なにやらの獣骨脆し枯野原
冬座敷襖の虎を割つて入る
雲呑の具の透けてゐる夜の霜
眠れぬ夜つばさ音なくふくろふ来
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