【みみず・ぶっくすBOOKS】第8回 ライアン・マコム『ゾンビ俳句』 小津夜景
【みみず・ぶっくすBOOKS】第8回ライアン・マコム『ゾンビ俳句』小津夜景先週はモーリス・コヨー、別名「紅葉モリス」のフリーダムな学術書を取り上げたが、あの本を発見してしみじみ悟ったのは「古本屋の方がふつうの書店よりずっと掘り出し物がある(しかも安い)」ということ。今までそれに気づかなかった自分に呆れつつ、あの日は興奮して10冊近い古本を購入してしまった。その折、英語の本も2冊入手。というのもこの企...
View Article週刊俳句 第475号 2016年5月29日
第475号2016年5月29日■2015 角川俳句賞落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る【みみず・ぶっくすBOOKS】第8回■ライアン・マコム『ゾンビ俳句』 ……小津夜景 ≫読む■俳句の自然 子規への遡行 51……橋本 直 ≫読む■連載 八田木枯の一句母の木は北へなびくぞ風の旬 ……田中惣一郎...
View Article〔今週号の表紙〕第476号 紫陽花 西原天気
〔今週号の表紙〕第476号 紫陽花西原天気この時期、紫陽花の写真を表紙に持ってくるなんて、あまりにベタ。なので、モノクロにしてみました。 紫陽花や家居の腕に腕時計 波多野爽波写真にぴったりというわけではないですが、好きな句。●週俳ではトップ写真を募集しています。詳細は≫こちら
View Article自由律俳句を読む 140 「鉄塊」を読む〔26〕 畠働猫
自由律俳句を読む 140「鉄塊」を読む〔26〕畠 働猫今回も「鉄塊」の句会に投句された作品を鑑賞する。第二十七回(2014年9月)から。文頭に記号がある部分は当時の句会での自評の再掲である。記号の意味は「◎ 特選」「○ 並選」「● 逆選」「△ 評のみ」。◎第二十七回(2014年9月)よりぼくの夜の奥が付録...
View Article【八田木枯の一句】風のごときものなり戀も陶枕も 西村麒麟
【八田木枯の一句】風のごときものなり戀も陶枕も西村麒麟『鏡騒』(2010年)より。風のごときものなり戀も陶枕も...
View Article【句集を読む】鉱物の時間・虹の時間 篠塚雅世句集『猫の町』の一句 西原天気
【句集を読む】鉱物の時間・虹の時間篠塚雅世句集『猫の町』の一句西原天気鉱物を山に眠らせ春の虹...
View Article【句集を読む】寝苦しい夜の扇風機 嵯峨根鈴子句集『ラストシーン』の一句 西原天気
【句集を読む】寝苦しい夜の扇風機嵯峨根鈴子句集『ラストシーン』の一句西原天気羽根のなき千夜一夜の扇風機 嵯峨根鈴子羽根のない扇風機は、これですね(≫画像)。2009年発売ですから、2016年の世界に住んでいる私たちは、これを思い浮かべる。ところがほんの10年前だとどうでしょう?...
View Article〔その後のハイクふぃくしょん〕喪服を脱いでから 中嶋憲武
〔その後のハイクふぃくしょん〕喪服を脱いでから中嶋憲武前の車のナンバープレートを厭というほど見ている。さっきからずっと動かない。カーオーディオからカーティス・メイフィールドの「トリッピング・アウト」が流れて、日曜の午後の憂鬱を少しは軽めにしてくれていた。川魚料理の店を出てから、ずっとのろのろ走ったり止まったりの連続だ。助手席の妻は寝ている。九十二歳で亡くなった叔母の三回忌法要が、佐野にある小さなお寺...
View Article【みみず・ぶっくすBOOKS】第9回 ヴェラ・G・ショー『ヒラリー・クリントン俳句』 小津夜景
【みみず・ぶっくすBOOKS】第9回ヴェラ・G・ショー『ヒラリー・クリントン俳句』小津夜景日本国には数多くの謎につつまれた「ホニャララの日」というのが存在するが、かの米国にも「ナショナル・ハイク・デー」という記念日があるようで、その日にあたる4月17日は「国民的俳句の日だから、みんなでこんなヒラリー俳句を書いたよ」なんて記事が出たりもする。この種のシチュエーションに登場する「俳句」なる語は、異文化愛...
View Article名句に学び無し、 なんだこりゃこそ学びの宝庫(25)中村草田男 今井聖
名句に学び無し、なんだこりゃこそ学びの宝庫 (25)今井 聖 「街」119号より転載蟾蜍長子家去る由もなし 中村草田男...
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まみれる こしのゆみこ空の箱つみあがりゆく夏の家箱の蓋ずらし青葉騒を聞く青水無月絶縁テープ巻いてゆく郭公のきこえてきたる眠りかなほうたるのひとつふたつとぬかれゆく短夜から色とりどりのジャムの瓶島中の鳥の集まる赤い空泰山木の花はずれかかった冠まばたきの間のアマリリスのなみだ目夏鶯二重瞼と一重瞼持つ●
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画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第476号 2016-6-4まみれる こしのゆみこクリックすると大きくなりますテキストはこちら第476号の表紙に戻る
View Article週刊俳句 第476号 2016年6月4日
第476号2016年6月4日■2015 角川俳句賞落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る■こしのゆみこ まみれる 10句 ≫読む……………………………………………■名句に学び無し、なんだこりゃこそ学びの宝庫 (25)蟾蜍長子家去る由もなし 中村草田男……今井聖 ≫読む【みみず・ぶっくすBOOKS】第9回■ヴェラ・G・ショー『ヒラリー・クリントン俳句』 ……小津夜景...
View Article【みみず・ぶっくすBOOKS】第10回 イザベル・アスンソロ『草の上の俳句』 小津夜景
【みみず・ぶっくすBOOKS】第10回イザベル・アスンソロ『草の上の俳句』小津夜景日頃、自分が俳句を書いていることは口外しないようにしているのだけれど、なにかの拍子でそれが人に知られてしまうことがある。そんなとき厄介なのは話がそこで終わってくれないこと。決して少なくない確率で「あ、課外授業でやった」とか「うちの子が学校で書いた」などと相手が反応し、自分などには俄かに判然としない蘊蓄を語りだすのだ。こ...
View Article【句集を読む】春はクリームパン 中山宙虫句集『虫図鑑』を読む
【句集を読む】春はクリームパン中山宙虫句集『虫図鑑』を読む西原天気カバーのグリーンは、虫がたくさん棲んでいそうな色。ただし、この本に虫の句がとりたてて多いわけではありません。俳号から来たタイトルでしょう。「図鑑」の少年期的・ジュブナイル的ワクワク感は、この句集全体に貫かれたたトーンのひとつ。判型は小ぶりな新書サイズ(103×172mm)。掌への収まりがいい。本文は、活版印刷。近年はほとんど見なくなっ...
View Article10句作品テキスト 耳打ち 黒岩徳将
耳打ち 黒岩徳将芝桜埴輪の馬に短き尾顔に巻く手拭ひ短か苗代田明易や古墳と知らず昇りつめ六月の鼻緒に指の開きたるだんだんに木々のひらけて時鳥耳打ちの蛇左右から「マチュピチュ」とサイダーや花屋の前の男たち汗が汗を匿ふアレクサンドリア青林檎服をつかみしまま眠る夏の夕とほき小芥子と目が合つて●
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