耳打ち 黒岩徳将
芝桜埴輪の馬に短き尾
顔に巻く手拭ひ短か苗代田
明易や古墳と知らず昇りつめ
六月の鼻緒に指の開きたる
だんだんに木々のひらけて時鳥
耳打ちの蛇左右から「マチュピチュ」と
サイダーや花屋の前の男たち
汗が汗を匿ふアレクサンドリア
青林檎服をつかみしまま眠る
夏の夕とほき小芥子と目が合つて
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芝桜埴輪の馬に短き尾
顔に巻く手拭ひ短か苗代田
明易や古墳と知らず昇りつめ
六月の鼻緒に指の開きたる
だんだんに木々のひらけて時鳥
耳打ちの蛇左右から「マチュピチュ」と
サイダーや花屋の前の男たち
汗が汗を匿ふアレクサンドリア
青林檎服をつかみしまま眠る
夏の夕とほき小芥子と目が合つて
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