【句集を読む】 僕はどうすれば外に出ることができるのか知らない 中村汀女『花影』の一句 福田若之
【句集を読む】僕はどうすれば外に出ることができるのか知らない 中村汀女『花影』の一句福田若之外にも出よ触るるばかりに春の月...
View Article秩父道場参加の記 関悦史
秩父道場参加の記関悦史「海程」2015年8・9月号、一部校正・改稿ろくに旅行をしないもので秩父といってもイメージがわかず、同じ北関東なので私の住む土浦と変わらない、平成不況でさびれた平らな郊外かと思いきや、実見してみたら地形も町並みも全然違っていた。乗換駅には自動改札がなくて駅員に切符に鋏を入れられ、マイクロバスを仕立てて吟行に行った「ようばけ」は地層が露出した断崖が迫る岩石だらけの河原。そこまでの...
View Article10句作品テキスト 下楠絵里 待ち人
下楠絵里 待ち人待ち人は自転車で来る冬菫マフラーは空の色なり東京駅イヤホンの無音を聞きて雪の町海近し枯木にひかり集まりぬ黒ばかり色鉛筆は減つて冬秘密には秘密で返す室の花縦長き字を書く人や寒昴辞書の「し」の厚きを分くる霜夜かな椅子に木のやはらかさあり日脚伸ぶ吊革のみな握られて春隣
View Article10句作品 下楠絵里 待ち人
画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第461号 2016-2-21下楠絵里 待ち人クリックすると大きくなりますテキストはこちら第461号の表紙に戻る
View Article週刊俳句 第461号 2016年2月21日
第461号2016年2月21日■2015 角川俳句賞落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る■下楠絵里 待ち人 10句 ≫読む……………………………………………【落選展2015を読む】■(1)「水のあを」から「梅日和」まで……仲寒蟬×上田信治 ≫読む■秩父道場参加の記……関悦史 ≫読む【句集を読む】■僕はどうすれば外に出ることができるのか知らない中村汀女『花影』の一句……福田若之...
View Article後記+プロフィール 第462号
後記 ● 上田信治under construction●no.462/2016-2-28 profile■トオイダイスケ とおい・だいすけ 1982年栃木県佐野市生まれ。東京都在住。澤俳句会所属。 URL: http://daisuketoi.com Twitter: @daisuketoi ■角谷昌子...
View Article自由律俳句を読む 127 「鉄塊」を読む〔13〕 畠働猫
自由律俳句を読む 127「鉄塊」を読む〔13〕畠 働猫卒業の季節ですね。「感傷にひたってばかりもいられない」(中筋祖啓)というわけで、今回も「鉄塊」の句会に投句された作品を鑑賞する。第十四回(2013年6月)から。各句につけた当時の句会での自分の評も再掲する。文頭に記号がある部分がそれである。記号の意味は「◎ 特選」「○ 並選」「● 逆選」「△...
View Article【八田木枯の一句】父や若しおもてあげれば野火の色 角谷昌子
【八田木枯の一句】父や若しおもてあげれば野火の色角谷昌子第六句集『鏡騒』(2010年)より。父や若しおもてあげれば野火の色...
View Article【句集を読む】記憶の人としての書き手 藺草慶子『櫻翳』を読む 福田若之
【句集を読む】記憶の人としての書き手藺草慶子『櫻翳』を読む福田若之問い。藺草慶子『櫻翳』(ふらんす堂、2015年)に、「忘」の字を含んだ句は何句あるか。答えは、三句だ。恋せよと蜩忘れよと蜩...
View Article10句作品テキスト トオイダイスケ 死なない
死なない トオイダイスケ映像のをさなき俺が東風に揺れ堅香子の故郷に怖き地の残る花樒土に声ことごとく吸はれ舌の裏熱し辛夷に俄雨春驟雨窓越しに島古びゆく蜃気楼死の前日も人眠る暮春かつて祖父居し部屋に日の暮れる曲終はり友は寝てをり春灯野に遊ぶ着の身着の儘来し友と寝ないでも死なない穴を出て蛇は●
View Article10句作品 トオイダイスケ 死なない
画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第462号 2016-2-28トオイダイスケ 死なないクリックすると大きくなりますテキストはこちら第462号の表紙に戻る
View Article週刊俳句 第462号 2016年2月28日
第462号2016年2月28日■2015 角川俳句賞落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る■トオイダイスケ 死なない 10句 ≫読む……………………………………………【句集を読む】■藺草慶子『櫻翳』を読む記憶の人としての書き手……福田若之 ≫読む■連載 八田木枯の一句父や若しおもてあげれば野火の色……角谷昌子 ≫読む■自由律俳句を読む 127「鉄塊」を読む〔13〕 ……畠働猫...
View Article10句作品テキスト 永山智郎 硝子へ
硝子へ 永山智郎早春や製図に線の跡無数春浅しポストの内の闇に触れ病む街へ吐く空色の石鹼玉春灯表紙の顔のありふれて白蝶の光硝子から硝子へ頬杖同士卒業を確かめ合ふ工場に箱の幾万桜東風階段は風聴くところ鳥雲に草餅やビルからビルの影へ出て春空の底ひに吊られたるギター●
View Article10句作品 永山智郎 硝子へ
画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第463号 2016-3-6永山智郎 硝子へクリックすると大きくなりますテキストはこちら第463号の表紙に戻る
View Article10句作品テキスト 渡部有紀子 あがりやう
あがりやう 渡部有紀子吊雛めでたきものは土のもの雛段のひときは低き牛の角貌覆ふ雛ひとつに箱ひとつ百夜分恋ひたる猫の声白し草若葉棒で描く輪の続く径青き踏む面白きこと面白く草餅の少し尖つてゐるところ三猿に草餅一つ誰が喰ふ犬の墓訪ふは草笛手の中に草笛を吹くとき肩のあがりやう●
View Article10句作品 渡部有紀子 あがりやう
画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第463号 2016-3-6渡部有紀子 あがりやうクリックすると大きくなりますテキストはこちら第463号の表紙に戻る
View Article