【八田木枯の一句】ゆく夏や恥毛吹かれるいとこたち 太田うさぎ
【八田木枯の一句】ゆく夏や恥毛吹かれるいとこたち太田うさぎ自分のことは本人よりも他人の方がよっぽど分かっているとよく言われる。どうやら私は”毛”の句に極めて敏感に反応するらしい。複数の友人に指摘されるまで自分の性癖をそれこそ毛ほども意識したことはないのであった。ゆく夏や恥毛吹かれるいとこたち...
View Article10句作品テキスト 生駒大祐 夏の訃
夏の訃 生駒大祐邂逅の窓汚れゐる如く夏雲君持つ其れ流木或いは氷菓の匙遠い祭囃子呼吸に水を使ふ彼ら昔話止めて帰しぬ熱帯夜就寝のため葬の朝は涼しく君其れを不必要と煙は上へのぼる眺めてゐるサンダルを履いて真白き箱折紙の蟬を入れる箱渚はるか渚むかし渚三つの影灼けて全て光駅に待てる列車すらもそして夏は終る車内束の間楽流れ●
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画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第431号 2015-7-26生駒大祐 夏の訃クリックすると大きくなりますテキストはこちら第426号の表紙に戻る
View Article10句作品テキスト 青本柚紀 円
円 青本柚紀雨の学祭花をつけない木ばかり太い台詞つかへて背後に海のあるごとし入梅の夜がゆたかに枝を張る目つむりて見る空蟬のうすみどり瓜熟れて円錐のまた太るなり過去ばかり見てゐる海老の曲がり方明るい惨劇けふも胡瓜は曲がつてゐる噴水が平らで街の死が近い母語どこにもなくて花火が水に映る未来形たしかな朝顔の円の●
View Article10句作品 青本柚紀 円
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View Article〔ハイクふぃくしょん〕海上の白薔薇 中嶋憲武
〔ハイクふぃくしょん〕海上の白薔薇中嶋憲武『炎環』2013年12月号より転載海から戻っても、梨香は冴えない表情のままだった。昨日、久し振りに家族四人揃ったので、たまにはという事で海辺のレストランへ食事に行った。レストランの前の小さな国道を渡ると海で、店へ入る前に浜辺を散歩した。夕方というより、もう夜といってもいい時間だったが、まだまだ明るくのびのびとした気分になった。長男の和浩が頓狂な声を挙げた。妻...
View Article自由律俳句を読む 103 「又吉直樹」を読む 畠働猫
自由律俳句を読む 103「又吉直樹」を読む〔1〕畠 働猫<略歴>又吉 直樹(またよし なおき、1980-)タレント、脚本家、小説家。大阪府出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。自由律俳句集(せきしろとの共著)『カキフライが無いなら来なかった』(2007)『まさかジープで来るとは』(2010)堀本裕樹とともに「すばる」で「ササる俳句...
View Article俳句にとってあなたとは何か 福田若之
俳句にとってあなたとは何か福田若之火を焚くや枯野の沖を誰か過ぐ 能村登四郎愛されずして沖遠く泳ぐなり 藤田湘子玫瑰や今も沖には未来あり 中村草田男...
View Article後記+プロフィール 431
後記 ● 福田若之 今週号の10句作品は青本柚紀さんと生駒大祐さん。青本さんは〈夕焼や千年後には鳥の国〉の一句で第16回俳句甲子園の最優秀賞を受賞しているので、すでに覚えのある読者の方もいらっしゃるかもしれません(この一句、週俳の記事では上田信治編「二〇一四年上半期...
View Article週刊俳句 第431号 2015年7月26日
第431号2015年7月26日■2014「角川俳句賞」落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る■青本柚紀 円 10句 ≫読む■生駒大祐 夏の訃 10句 ≫読む……………………………………………【俳句を読む】■俳句にとってあなたとは何か……福田若之 ≫読む■連載 八田木枯の一句ゆく夏や恥毛吹かれるいとこたち……太田うさぎ ≫読む■自由律俳句を読む 103「又吉直樹」を読む〔1〕……畠働猫...
View Article〔今週号の表紙〕第432号 フルーツ 中嶋憲武
〔今週号の表紙〕第432号 フルーツ中嶋憲武台北市内のスーパーはフルーツが盛りだくさん。パパイヤやらマンゴーやらドラゴンフルーツやらライチやら変ったかたちの林檎やら。どれも安いので、ぼくと妻と妻の友人のゆりあちゃんとで、大量に買い込み、ホテルの部屋で指を濡らしながら、部屋の屑篭を果実の皮で溢れさせながら、このときとばかりに食べまくった。●週俳ではトップ写真を募集しています。詳細は≫こちら
View Article【週俳7月の俳句を読む】毎日暑いので韻律についてちょっと考えた。 岡野泰輔
【週俳7月の俳句を読む】毎日暑いので韻律についてちょっと考えた。岡野泰輔俳句の韻律について考えさせる句群が集まった。私はこれまで韻律について真剣に考えたことはなかったが、定型の力、またそこから意図的に逸脱していく力もそれぞれで、作者によっての違いもおもしろかった。みづうみのなくて風吹く大暑かな...
View Article名句に学び無し、 なんだこりゃこそ学びの宝庫(10) 今井聖
名句に学び無し、なんだこりゃこそ学びの宝庫 (10)今井 聖 「街」104号より転載冬の管楽器の輪の中に首入れて吹く 田川飛旅子(たがわ・ひりょし) 『外套』(1964)なんだこりゃ。...
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