10句作品テキスト 五十嵐秀彦 眠る
眠 る 五十嵐秀彦雪間草青年ヘーゲル派が眠る禅学の四方八方ふきのたう雪解けて馬頭観音歩き出す滑空のためのわが鰓涅槃西風百千鳥幻國に棲む母を訪ふ朧月内耳蝸牛のゆるむとき白魚を買ふ豹紋のワンピース糸遊や聴こえぬ耳を持ち歩く声帯のゆつくり延びる苗木市花の下あくび指南の俳諧師●
View Article10句作品テキスト 森島裕雄 色見本帖
色見本帖 森島裕雄ウイルスに侵されてゐる請求書蝸牛二段梯子の先頭に片陰で留守の「ル」の字を走り書き計測終へ繋ぎの肩に蝸牛ソーダ水イージス艦を挟み撃つ著莪の花名刺の角の疲れたる緑陰のほら吹き輩座談会花水木昨日初訪の「ねた」揺らぐ合戦は見積三社鉄線花ファインダーに屋根点検の雨蛙●
View Article10句作品 五十嵐秀彦 眠る
画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第420号 2015-5-10五十嵐秀彦 眠るクリックすると大きくなりますテキストはこちら第420号の表紙に戻る
View Article10句作品 森島裕雄 色見本帖
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View Article週刊俳句 第420号 2015年5月10日
第420号2015年5月10日■2014「角川俳句賞」落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る■森島裕雄 色見本帖 10句 ≫読む■五十嵐秀彦 眠 る 10句 ≫読む……………………………………………■名句に学び無し、なんだこりゃこそ学びの宝庫(4)ゆるぎなく妻は肥りぬ桃の下 石田波郷……今井 聖 ≫読む■ニはニンジャのニ『冬野虹作品集成』の一句……福田若之 ≫読む■自由律俳句を読む...
View Article後記+プロフィール421
後記 ● 西原天気5月14日、B.B.Kingが亡くなりました。故八田木枯さん(小誌で「八田木枯の一句」連載中)と同年生まれ(1925年)。●この週末、東京浅草では三社祭。昨日、私も出かけました。プランを決めず、夕刻、入谷から浅草へ、また入谷へとぶらぶらと散歩。途中の町町でいろいろな「祭り」に遭遇できました。●それではまた次の日曜日にお会いしましょう。 no.419/2015-5-10...
View Article自由律俳句を読む 93 高沢坡柳〔1〕 馬場古戸暢
自由律俳句を読む 93高沢坡柳〔1〕馬場古戸暢高沢坡柳(たかざわはりゅう、1886-1976)は、岐阜生まれの自由律俳人。塩谷鵜平の門をたたいて後、碧梧桐第二次全国行脚の鵜平庵俳三昧に参座。高島寂三らと「俳藪」を再興した。以下では数句を選び、鑑賞したい。ゆく春の家深く竈あり女の顔白く...
View Article【八田木枯の一句】空罐と五月照応しつつ老い 西原天気
【八田木枯の一句】空罐と五月照応しつつ老い西原天気缶詰はプルトップが多くなり、缶切りの出番は少なくなりました。《鳥渡るこきこきこきと罐切れば》(秋元不死男)のシーンは日常から失われつつあります(そういうことはよくある)。空罐と五月照応しつつ老い...
View Article対岸の過去~関戸橋フォーエバー 中嶋憲武
対岸の過去~関戸橋フォーエバー中嶋憲武「山手線が事故らしいよ」と、テンキさんが言った。ぼくとテンキさんは国立駅で待ち合わせ、小津さんを待っていた。じゃあ、ちょっと遅れて来るのかなと思った。小津さんが山手線を使っているのかどうかは分からないが、事故、遅延という発想でそう思ったのだろう。その会話のわりとすぐ後に、はにかんだ笑顔とともに小津さんは現れた。折しも昼どきだったので、食事でもという話になり、ぼく...
View Article反復を読む 電話を取り上げてあなたに創造的な「もしもし」を言った。その二番目の「もし」のこと 柳本々々
反復を読む電話を取り上げてあなたに創造的な「もしもし」を言った。その二番目の「もし」のこと柳本々々反復は、発見されなくてはならない新しいカテゴリーである。(キルケゴール、前田敬作訳「反復」『キルケゴール著作集5』白水社、1995年、p.234)対話的関係は対立する差異ある言葉(異論、反駁、拒絶)よりも、むしろ同じ言葉の反復(賛成、同意、承認)に際して純粋にあらわれると言ってもいい。だから、バフチンは...
View Article時間の上の痣 『冬野虹作品集成』の一篇 福田若之
時間の上の痣『冬野虹作品集成』の一篇福田若之 冬野虹が誰かの名を書いたのを読むときに感じる、このせつなさはなんだろう。クロッカス safran printanierいま薔薇色と萌葱色の細い縞模様になろうと昼が狭くなってきました棚の上のセイロン紅茶の缶は棚の上の時間の上の痣熱い湯の中にセイロン紅茶が香ったら清少納言に伝えます〝前略セイ...
View Article10句作品テクスト 武藤雅治 アジアへ
武藤雅治 アジアへしかすがに満洲じこみ親不知ぽるぽとの死後つちふまずつちふまずさめてまたぞろ目でるまでスリランカサイパンのおかげさまです陛下さまなんだつけフアルージヤ・カブール・カモメール吊り橋のやうなソーニヤとソビエツト尖閣や中華三昧ちらし寿司らふそくの火ともしごろのタイの夜ありなしのおしろいばなのソウルかなあめりかんガンフアミリーとなりにけり
View Article10句作品 武藤雅春 アジアへ
画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第421号 2015-5-17武藤雅春 アジアへクリックすると大きくなりますテキストはこちら第421号の表紙に戻る
View Article週刊俳句 第421号 2015年5月17日
第421号2015年5月17日■2014「角川俳句賞」落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る■武藤雅治 アジアへ 10句 ≫読む……………………………………………■反復を読む電話を取り上げてあなたに創造的な「もしもし」を言った。その二番目の「もし」のこと……柳本々々 ≫読む■時間の上の痣『冬野虹作品集成』の一篇……福田若之 ≫読む■対岸の過去~関戸橋フォーエバー……中嶋憲武...
View Article後記+プロフィール422
後記 ● 上田信治5月9日、澤田和弥さんが永眠されました。彼がわたしたちにしてくれたことに比して、あるいは、本当はこれくらい君のことが好きだったんだよという気持ちに比して、そのことを伝えなかった後悔に比して、あまりにもささやかではありますが、追悼号をお届けします。次号でも、いくつかの追悼文、追悼企画を掲載する予定です。●それではまた次の日曜日にお会いしましょう。 no.422/2015-5-24...
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