【週俳5月の俳句を読む】振らなければ生まれない 森山いほこ
【週俳5月の俳句を読む】振らなければ生まれない森山いほこほんの一本の糸屑の様な言葉の入口が見つかれば、昔に遡りずっと生きて来た何処かに関わるもう一つの言葉に出合うかも知れない。家事の合間に遭遇する言葉を俳句にするのは打率の低いバッターがバットを振り回すようなもの。でも振らなければ言葉は生まれない。わっ、もう6月。砂漠より怒聲と悲鳴花の闇...
View Article【週俳5月の俳句を読む】父の日なんていつだか知らねえやい 山崎志夏生
【週俳5月の俳句を読む】父の日なんていつだか知らねえやい山崎志夏生落椿重なり浅川マキ歌ふ 小山森生読者の世代を限定してしまうかもしれないが普遍性はある。浅川マキをもってきただけで句に夜が濃密に流れ込んでくる。落椿が積まれた暗い夜にどんな歌を口遊むのか。「朝日楼」あたりだろうか。読者それぞれ違う歌を思い浮かべるのもいいな。浮氣女のやうに葉櫻の下をゆく...
View Article10句作品 小山玄黙 倫敦は雨後
画像をクリックすると大きくなります。倫敦は雨後 小山玄黙さみだれや猫に齢のなきごとく鳥けもの出払つてをり葭屛風六月の箒に残るうすみどり髪に似て喪服褪せゆく水中花傷つけてみたきみづうみサングラス蠅帳や倫敦は雨後てふ電話東京に夏木の丈の空がある夕されば草笛はゆふぐれの音噴水の梢を透かす高さまで月涼し切符と切手すこし違ふ
View Article週刊俳句 第581号 2018年6月10日
第581号2018年6月10日■小山玄黙 倫敦は雨後 10句 ≫読む…………………………………………■この季語をあらためる「髪洗ふ」攷……橋本直 ≫読む■俳人インタビュー堀下翔さんへの10の質問 ≫読む■成分表77オンノジ……上田信治 ≫読む【週俳5月の俳句を読む】■対中いずみ そら豆と琉金と ≫読む■山崎志夏生 父の日なんていつだか知らねえやい ≫読む■森山いほこ 振らなければ生まれない...
View Article後記+プロフィール581
no.581/2018-6-10 profile■小山玄黙 こやま・げんもく平成9年大阪生。「群青」副編集長、櫂未知子・佐藤郁良に師事。慶應義塾大学俳句研究会所属。第6回星野立子新人賞、第6回俳句四季新人賞。■橋本 直 はしもと・すなお1967年生。「豈」同人、「鬼」会員。Blog「Tedious Lecture」■堀下翔 ほりした・かける...
View Article10句作品 丸田洋渡 夜を濡らす
画像をクリックすると大きくなります。夜を濡らす 丸田洋渡落花めまぐるしく彼方ときめく目朧夜を港のように明滅せよ葉は山に蝶は閃きぱたんと死展翅うつくし蝶を永らえさせる針序、夜鷹とその遠景の関係短夜の銃なら玻璃を狙える距離翡翠を引用しては紙を飛ぶ太陽は水没しない螢籠水からくりいつも上からくる天使夏の君へ水ぶっかけて水彩画
View Article後記+プロフィール582
後記 ◆ 岡田由季under construction●それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。no.582/2018-6-17 profile■丸田洋渡 まるた・よっと平成10年生まれ。無所属。名前は本名。第19回俳句甲子園にて池田澄子氏から優秀賞を受ける。■橋本 直 はしもと・すなお1967年生。「豈」同人、「鬼」会員。Blog「Tedious Lecture」■宮本佳世乃...
View Article〔今週号の表紙〕第582号 青鷺 岡田由季
〔今週号の表紙〕第582号 青鷺岡田由季家の近くでよく青鷺を見かけます。民家の屋根に止まっていたり、洗濯物を干していたら頭上を飛んで行ったりします。池や川に行くとひっそりと佇んでいて、気が付かずに近づくと「ぎゃあ」と怪鳥めいた声をあげて飛び立つこともあります。カワイイ、とかキレイ、というのではないけれど、気になる鳥です。●小誌『週刊俳句』ではトップ写真を募集しています。詳細は≫こちら
View Article中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 第55回 ニッキー・ホプキンス「Waiting For The Band」
中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜第55回 ニッキー・ホプキンス「Waiting For The Band」天気●前回のローリング・ストーンズつながりで、ピアニストのニッキー・ホプキンス。この人、60年代後半から70年代に、イギリスのロックアルバムの録音にピアノで参加していて、ストーンズとの関係も深いのですが、ソロアルバムでは歌も聞ける。天気●軽快でしょ?...
View Article【柳誌を読む】チンドン屋のゆくえ 飯島章友『恐句』の一句 西原天気
【柳誌を読む】チンドン屋のゆくえ飯島章友『恐句』の一句西原天気東口と聞いて、どの駅を思い浮かべるかは、人それぞれの経験によるのだろう。私の場合、新宿。昔も今も新宿での行動は、東口が起点となる。習い性のようなもので、京王線を多く利用する今も変わらない(京王新宿駅を降りて連絡口を抜けJR新宿駅東口を出る)。さて。チンドン屋東口から洞窟へ...
View Article【俳人インタビュー】宮本佳世乃さんへの10の質問
【俳人インタビュー】宮本佳世乃さんへの10の質問質問:西原天気Q1 今週、何句作りましたか?5句です。土曜日に3句出しの句会、日曜日に2句出しの句会があるので。Q2 俳句に似ているものといえば?付箋。そのへんにあって同じようなかたちなんだけど微妙にちがう。たまに面白いものもある。Q3...
View Article週刊俳句 第582号 2018年6月17日
第582号2018年6月17日■丸田洋渡 夜を濡らす 10句 ≫読む…………………………………………■俳句の自然 子規への遡行 61……橋本直 ≫読む■俳人インタビュー宮本佳世乃さんへの10の質問 ≫読む【柳誌を読む】■チンドン屋のゆくえ 飯島章友『恐句』の一句……西原天気 ≫読む 【週俳5月の俳句を読む】■小野裕三 どこかぶっきらぼうな ≫読む【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】■第55回...
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