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自由律俳句を読む51 うぐいす〔1〕 馬場古戸暢

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自由律俳句を読む51
うぐいす〔1〕

馬場古戸暢


うぐいす(1976-)は、自由律な会「ア・ぽろん」に所属する自由律俳人。主としてインターネット上で活躍している。発表された句には、家庭を持った人ならではの暖かい雰囲気が漂っている。

少し伸びた坊主笑いあって夏は終わる  うぐいす

ここでの坊主は子供らのことか、それともネギのことか。前者であるとすれば、私もよく知っている、あの少年時代の夏の終わりを詠んだものであろう。

永遠に春かもしれない菜の花の駅に降りる  同

菜の花が咲き誇っている場所では、こうした錯覚を覚えることもあろう。しかもここは、列車の本数も少ない地方の駅。まるで時が止まったかのような錯覚を覚えそうである。

同じ名の子が叱られている  同

吾子と同じ名の子が叱られている現場に、作者が通りかかったところか。びっくりするほかない。

ちょうちょとまって動けない影  同

自身が吾子にちょうちょがとまった時を詠んだ句。ここで影の方に着目したところに、面白みがある。

どの子も青い夏の絵  同

夏休みの宿題であった絵が、教室の後ろに飾ってあったのだろう。夏はこのようにあるべきである。特に子供たちにとっては。

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