$ 0 0 2016「石田波郷新人賞」落選展●6. 水路 柳元佑太せせらぎをやや凍りつつ動く水みづ汲めば明るみの柊の花初雪をそのちひさな手おほきな目寒寒と着地せば骨はたらきぬ寒林のその一本や倒れたる影伸びてゐたるを雪の木と思ふ初東風に見上ぐる椎の同じかり川すぢを離れて濡るる菫かな沼底に杭ある寒さ春の鳥突風に風遅るるよなづなの花春のソプラノリコーダー目を閉ぢて蝿の足それの躯を欠きてありまなうらも眼も夕立を留め得ず水族館と海を繋ぐ水路 夏のアイスクリーム古着屋の裏が海夏了るてふパレツトの水浸しあをぞらの冷たき秋のケルンかな爽やかに子りす前足より落ちぬ匙ならば澄むみづうみを司る晩秋や大きなる木に抱きつけば●