水草生ふ 篠塚雅世
招き猫染め抜かれあり小正月
飾焚く重さ持たざるものとなり
人形の家に人形ペチカ燃ゆ
牡丹の辺りの乾き寒土用
寺なくて塔の残れる氷かな
セーターに恋の話をしてをりぬ
鴨鳴けりこの世に白をとどめむと
福豆を打つや遠くへ近くへと
雪洞の生絹のくすみ水草生ふ
山に添ひ人の歩める遅日かな
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招き猫染め抜かれあり小正月
飾焚く重さ持たざるものとなり
人形の家に人形ペチカ燃ゆ
牡丹の辺りの乾き寒土用
寺なくて塔の残れる氷かな
セーターに恋の話をしてをりぬ
鴨鳴けりこの世に白をとどめむと
福豆を打つや遠くへ近くへと
雪洞の生絹のくすみ水草生ふ
山に添ひ人の歩める遅日かな
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