顔の高さ 今泉礼奈
元日に生まれて空のあをさかな
初声や魚をくはへて遠ざかる
海にどこか燃ゆる匂ひや初写真
冬芒ちがふ高さに流れけり
ケーキ詰めて箱やはらかし冬夕焼
水仙の夜風にぱつと立ちにけり
蠟梅が顔の高さにあれば寄る
蠟梅の花ごと落ちて日を集む
講義なき日の木蓮の冬芽かな
釦に糸頼りなし春遠からじ
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元日に生まれて空のあをさかな
初声や魚をくはへて遠ざかる
海にどこか燃ゆる匂ひや初写真
冬芒ちがふ高さに流れけり
ケーキ詰めて箱やはらかし冬夕焼
水仙の夜風にぱつと立ちにけり
蠟梅が顔の高さにあれば寄る
蠟梅の花ごと落ちて日を集む
講義なき日の木蓮の冬芽かな
釦に糸頼りなし春遠からじ
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