届いて 阪西敦子
花時やいまも昔も頬やせて
腕組みのポケット歪む花見かな
春昼のネオン時々目覚めけり
桜さくら空の見えない桜かな
血管の眠りて桜色となる
田楽の跡の皿掻く串の先
爪切りて手の皺新た百千鳥
茫々と地下の涸びや花の雨
春灯の届いてをりぬ庭の椅子
硝子戸へ人よき顔を月朧
●
花時やいまも昔も頬やせて
腕組みのポケット歪む花見かな
春昼のネオン時々目覚めけり
桜さくら空の見えない桜かな
血管の眠りて桜色となる
田楽の跡の皿掻く串の先
爪切りて手の皺新た百千鳥
茫々と地下の涸びや花の雨
春灯の届いてをりぬ庭の椅子
硝子戸へ人よき顔を月朧
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