自由律俳句を読む 106 「又吉直樹」を読む〔2〕 畠働猫
自由律俳句を読む 106「又吉直樹」を読む〔2〕畠 働猫<略歴>又吉 直樹(またよし なおき、1980-)タレント、脚本家、小説家。大阪府出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。自由律俳句集(せきしろとの共著)『カキフライが無いなら来なかった』(2007)『まさかジープで来るとは』(2010)堀本裕樹とともに「すばる」で「ササる俳句...
View Article名句に学び無し、 なんだこりゃこそ学びの宝庫(11) 今井聖
名句に学び無し、なんだこりゃこそ学びの宝庫 (11)今井 聖 「街」105号より転載いなびかり北よりすれば北を見る 橋本多佳子(はしもと・たかこ) 『紅絲』(1956)なんだこりゃ。...
View Article10句作品テキスト 青本瑞季 光足りず
光足りず 青本瑞季夕虹を指すに遅れて嗚呼と云ふ木曜の山羊よこたはる暗さかな切株の膚のごとくに蛾の鱗粉鬚の凸あまたうつすら汗を乗せ少年の眼濁流めく午睡夕菅や矢を射るごとく名を呼んで夏木光足りず黙禱のまなうら黙禱そして向日葵はあをざめ光る花カンナ貨車過ぐるとき悲鳴に似る鳥の屍より甲虫光る、臭ふ●
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画像をクリックすると大きくなります。週刊俳句 第434号 2015-8-16青本瑞季 光足りずクリックすると大きくなりますテキストはこちら第432号の表紙に戻る
View Article週刊俳句 第434号 2015年8月16日
第434号2015年8月16日■2014「角川俳句賞」落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る■青本瑞季 光足りず 10句 ≫読む……………………………………………■名句に学び無し、なんだこりゃこそ学びの宝庫(11)いなびかり北よりすれば北を見る 橋本多佳子 ……今井 聖 ≫読む■成分表67加藤茶……上田信治 ≫読む■自由律俳句を読む 106「又吉直樹」を読む〔2〕……畠働猫...
View Article【八田木枯の一句】 無花果熟れとつととつとと風呂煙 太田うさぎ
【八田木枯の一句】無花果熟れとつととつとと風呂煙太田うさぎ六月あたりから出回る無花果は夏果と呼ばれるそうで、それなりに旬なのだろうけれど、子供の頃の記憶が染みついているせいか、無花果を食べたくなるのはだいたい今ぐらい、お盆も過ぎ九月の声が忍び寄ってくる時期だ。繊維質とねっとりした食感が独特なこの果実を御不浄に植える木だからと嫌う向きもある。勿体ないなあ。町中では無花果の木のある家自体が少なくなったよ...
View Article10句作品テキスト 黙秘 藤井あかり
黙秘 藤井あかりみづからに百日紅の日々を課すかたむきて翅青みたり糸蜻蛉藪つ蚊を打つまでは目の澄んでゐし牙生えてきて黙しをる夏野かな秋蟬の声といふ鋲降つてくる詰め寄るごとく花葛の正面に洗ひたる手をまだ洗ひ秋の水日を追つて前のめりなる瓜の馬汝の声で聴きたし「秋の麒麟草」落蟬をひとつだけ弔ひにけり●
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ラジオと海流 大塚凱裸子は風に鳴るべくおほきな樹バス停の蚯蚓を踏んでゐた時間真清水が指紋の渦を巻きなほす釘打てば夏しんかんと脈走る向日葵を裏より見れば怒濤かな八月のラジオ海流のぶつかる音花野吹かれてトランプのやうに散る夢は雲のはやさで忘れ水澄めり葡萄樹をゆけば船室のゆらめき灯台のこころで露の駅に待つ●
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View Article10句作品 大塚凱 ラジオと海流
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View Article山口誓子「マドロスの悲哀」と「走馬燈心中」 福田若之
山口誓子「マドロスの悲哀」と「走馬燈心中」福田若之「群青」第5号より転載それは山口誓子『黄旗』に現れる二つの連作の連続であり、それぞれ、「マドロスの悲哀」と「走馬燈心中」という題が付けられている。マドロスの悲哀紅き帆の練習船の走馬燈船體の透き間だらけの走馬燈走馬燈船の上にも海を描(か)く消えんとて海のかぐろき走馬燈海底に餘燼なほ見ゆ走馬燈走馬燈心中走馬燈海藻郡の海を描く舳のかるき舟に男女(なんにょ)...
View Article週刊俳句 第435号 2015年8月23日
第435号2015年8月23日■2014「角川俳句賞」落選展 ≫見る■2014「石田波郷賞」落選展 ≫見る■藤井あかり 黙秘 10句 ≫読む■大塚凱 ラジオと海流 10句 ≫読む……………………………………………■連載 八田木枯の一句無花果熟れとつととつとと風呂煙……太田うさぎ ≫読む ■山口誓子「マドロスの悲哀」と「走馬燈心中」 ……福田若之 ≫読む■〔今週号の表紙〕ニューオーリンズ……山田露結...
View Article自由律俳句を読む 107 「尾崎放哉・種田山頭火」を読む〔1〕 畠働猫
自由律俳句を読む 107「尾崎放哉・種田山頭火」を読む〔1〕畠 働猫せきをしてもひとり 尾崎放哉まっすぐな道でさみしい 種田山頭火<略歴>尾崎放哉(おざき ほうさい 1885 - 1926)本名、尾崎秀雄。鳥取県邑美郡吉方町に生まれる。14歳から俳句や短歌を詠む。無論、この頃の句は定型である。1902年(17歳)、第一高等学校(一高)文科に入学。翌年、荻原井泉水(おぎわら...
View Article【八田木枯の一句】天の川熟水は死のごとく在り
【八田木枯の一句】天の川熟水(ゆざまし)は死のごとく在り角谷昌子第5句集『夜さり』(2004年)より。天の川熟水(ゆざまし)は死のごとく在り...
View Article【句集を読む】草笛を手放して 竹岡一郎『ふるさとのはつこひ』を読む 小津夜景
【句集を読む】草笛を手放して竹岡一郎『ふるさとのはつこひ』を読む小津夜景はじめに竹岡一郎『ふるさとのはつこひ』を読んで考えたことは沢山あって、いったい何をどのように書くべきか、実際にこうして書き出した現在も実は決まっていない。とりあえず言えるのは、この本が大変面白いということだ。SFアニメ的表象を多分に吸収したと思われるこの本は、俳句というメディウムにおけるそれらの表象の展開を文句なしに成功させたと...
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