週刊俳句 第681号 2020年5月10日
第681号2020年5月10日≫2019角川俳句賞「落選展」【句集を読む】■わが既住症の記眞矢ひろみ『箱庭の夜』の一句……岡村知昭 ≫読む【空へゆく階段】№29■ゆうの言葉……田中裕明 ≫読む■解題……対中いずみ ≫読む【週俳4月の俳句を読む】■堀切克洋 もうひとつの春 ≫読む■瀬戸正洋 雑読雑考6 ≫読む【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】■原田知世「時をかける少女」...
View Article中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 コンディション・グリーン「ボニー・モロニー」
中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜コンディション・グリーン「ボニー・モロニー」天気●今回はロックンロールの愉しさを、ってことで、Condition Green「Bony Moronie」です。天気●「Bony...
View Article天皇の白髪 安田中彦
天皇の白髪安田中彦遠い距離の言葉の取り合わせでもないし、難解な語が用いられているわけでもない。それでも目にするたびに何とも腑に落ちない気持ちにさせられる有名句がある。作者本人が自分の代表句の一つとしている。天皇の白髪にこそ夏の月...
View Article【週俳4月の俳句を読む】「巡り」の中の俳句 瀬戸優理子
【週俳4月の俳句を読む】「巡り」の中の俳句瀬戸優理子こんな「春」になろうとは夢にも思っていなかった。今年も、いつものように雪解けから桜まで、大地が眠りから覚めて喜びを爆発させていく「北国の春」ならではの至福を体感できるものと信じていたのに。2月末、北海道独自の緊急事態宣言から「ステイホーム」が続く中、いつのまにか雪は溶け、桜は咲き、GWも過ぎて暦の上では夏が来た。季節の巡りに、体内時計が追い付いてい...
View Article【週俳4月の俳句を読む】目が覚めれば 山岸由佳
【週俳4月の俳句を読む】目が覚めれば山岸由佳朝、目が覚めてから、まだ完全に現実のものともならない意識の中でいつも見る窓の風景がある。音のない風が微かに生垣の葉を戦がせ、その向こうには、誰のものとも分からない生活の窓があり、いつもと何も変わらない朝だなと思う。しかし、次の瞬間には、現在の私たちの生活は新型コロナウイルスによって変化せざる得ない状況化にあることに愕然とする。人と距離を取らなければならない...
View Article【空へゆく階段】№30 ゆうの言葉 田中裕明
【空へゆく階段】№30ゆうの言葉田中裕明「ゆう」2000年9月号・掲載枇杷熟れてどすんどすんと浪の音 文子波音を形容するのに「どすんどすんと」というオノマトペは面白い。子どもが親に「いったいあれは何の音?」とたずねているようなかんじです。枇杷の実が熟れているのも、眼前の景であると同時に幼いころ海辺の村で見た景色なのでしょう。風の日やまばらに蟻を見たるのみ...
View Article週刊俳句 第682号 2020年5月17日
第682号2020年5月17日≫2019角川俳句賞「落選展」■天皇の白髪……安田中彦 ≫読む【空へゆく階段】№30■ゆうの言葉……田中裕明 ≫読む■解題……対中いずみ ≫読む【週俳4月の俳句を読む】■瀬戸優理子 「巡り」の中の俳句 ≫読む■山岸由佳 目が覚めれば ≫読む 【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】■コンディション・グリーン「ボニー・モロニー」 ≫読む〔今週号の表紙〕鉄板……西原天気...
View Article【句集を読む】盛り付けの作法その他 守屋明俊『象潟食堂』の一句 西原天気
【句集を読む】盛り付けの作法その他守屋明俊『象潟食堂』の一句西原天気なんでまた、そんなことを?...
View Article【週俳4月の俳句を読む】ふーうん・うむ 鴇田智哉
【週俳4月の俳句を読む】ふーうん・うむ鴇田智哉◆「半券 黒岩徳将」を読む片栗の花に屈むと踵浮く 黒岩徳将ああするとこうなる、の面白さ。自動的にこうなる、という。自分の踵だと読んでも機械的で面白いが、一緒にいる人の踵だと思えば、なかなかに魅力的な句だ。片栗の花のイメージからすれば、後者で読んでみたい。音感としては、カ行がかなり効いている。花屑が手羽先用の紙皿へ 同水に茶に蕎麦の半券濡れて春...
View Article【空へゆく階段】№31 俳句のレシピ 特別作品評・第五十号より 田中裕明
【空へゆく階段】№31俳句のレシピ 特別作品評・第五十号より田中裕明「晨」1992年9月号・掲載富山は水のおいしいところ。或る夜、富山のホテルのバーでドライマティーニをたのんだら、これが滅法うまい。そう言ったら「マティーニなどレシピが単純なカクテルほど緊張する。」とバーテン氏。レシピをモチーフと置きかえれば、これがシンプルなほど難しいというのは俳句についても言えるなと納得した。 歳月...
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