後記+プロフィール 第555号
後記 ◆ 村田 篠(Under Construction)no.555/2017-12-10 profile■鈴木総史 すずき・そうし1996年(平成8年)生まれ。21歳。東京都狛江市在住。現在、立教大学3年生。大学入学を機に、櫂未知子・佐藤郁良に師事、以後本格的に句作を開始する。俳句同人誌「群青」同人、企画部長。「鷹」会員。俳人協会会員。■トオイダイスケ...
View Article【週俳11月の俳句を読む】リアリズムから離陸 北村虻曳
【週俳11月の俳句を読む】リアリズムから離陸北村虻曳この寸評の対象は大学生ぐらいと推定される方から30代前半の方まで、若い人たちの句である。僕の出入りする句会、歌会の平均は60代にはなるだろうからどこが異なるか見てみた。なにしろ、俳句甲子園出場などの人の句を、目を据えて読むのは初めてのことなのだ。そもそも僕は「赤のまま」が「アカマンマ」で季語なんてことは知らなかった。まあ、この程度の「俳句」知識で読...
View Article【週俳11月の俳句を読む】全句雑感 瀬戸正洋
【週俳11月の俳句を読む】全句雑感瀬戸正洋無学な老いぼれが若者たちと話をする場合、知識を振りかざしたり、理屈をこね回しても困った顔をされるのがおちなのである。単純であること、自分を曝け出すこと、そうすれば、すこしぐらいは相手にしてくれる。若者たちは時間をそれなりに持っているので、老人とは、話の方向や角度が違っているのである。老人は自分たちの時間が少ないことを知っている。老人は、日だまりで傷を舐めあい...
View Article【句集を読む】 愛おしく在る可く 上田信治句集『リボン』を読む トオイダイスケ
【句集を読む】愛おしく在る可く上田信治句集『リボン』を読むトオイダイスケ保坂和志『もうひとつの季節』(中公文庫)は、同じ著者の『季節の記憶』(中公文庫)の続編として語られることの多い本であるが、私はこの本の最大の魅力は、登場する猫の「茶々丸」がとてつもなく可愛らしく生々しく臨場感を持って描かれていることだと思っている。私が読んだことのあるテキストのなかで描かれた猫では最も可愛く、ひとつひとつの振舞い...
View Article10句作品 町暮れて 鈴木総史
画像をクリックすると大きくなります町暮れて 鈴木総史凍鶴のこゑを旅の荷ととのはずあをぞらは花鳥を育て神の留守花枇杷や雨後の墓石の澄みきりぬ石蕗の花一歩に寺の軋みけり寒泉を鳥鳴き交はす一日かな葱畑四五本育ちすぎてをり帰りけり葱のあをさに眩みつつ綿虫や町暮れてより塔暮るる自転車に胴体のある夕焚火天井の迫つてきたる避寒宿
View Article週刊俳句 第555号 2017年12月10日
第555号2017年12月10日≫2017角川俳句賞「落選展」■鈴木総史 町暮れて 10句 ≫読む……………………………………………【句集を読む】■愛おしく在る可く上田信治句集『リボン』を読む……トオイダイスケ ≫読む■「2017落選展」を読む 2「青島玄武 優しき樹」……上田信治 ≫読む【週俳11月の俳句を読む】■北村虻曳 リアリズムから離陸 ≫読む■瀬戸正洋 全句雑感 ≫読む■対中いずみ...
View Article週刊俳句 第556号 2017年12月17日
第556号2017年12月17日≫2017角川俳句賞「落選展」■滝川直広 書体 15句 ≫読む……………………………………………■煤払といえば我輩も猫である古狂歌の世 ……robin d. gill(敬愚) ≫読む【俳苑叢刊を読む】■第20回 森川暁水『淀』どうやら私と同じで若布が好きな人みたいだ(前篇) ……佐藤文香 ≫読む【2017落選展を読む】■3.青本瑞季 みづぎはの記憶……上田信治...
View Article【週俳11月の俳句を読む】さあらぬ 藤井あかり
【週俳11月の俳句を読む】さあらぬ藤井あかり始まりはこんな呼びかけから。栗の秋八王子から出て来いよ 西村麒麟「出て来いよ」の気軽さと強引さに、つい出て行ってしまう。行く先に広がるのは、栗の木々のゆたかさ。林檎の実すれすれを行くバスに乗り 西村麒麟バスの窓から手を伸ばせば捥げそうな林檎。心はもう林檎を齧りはじめている。虫籠に住みて全く鳴かぬもの...
View Article煤払といえば我輩も猫である古狂歌の世 robin d. gill(敬愚)
煤払といえば我輩も猫である古狂歌の世robin d. gill(敬愚)紙袋あたまへ着せりや煤掃に跡ずさりしてふき回る猫A paper bag pulled o’er her head, backing from the room,our pussy hissed and swept about faster than a...
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