評論で探る新しい俳句のかたち(14) 仮名遣いと想定読者 藤田哲史
評論で探る新しい俳句のかたち(14)仮名遣いと想定読者藤田哲史仮名遣いついて少し。発端は2016年12月28日の俳人島田牙城さんのツイートだ。今、自分の散文集を作り始めていて、(評論でも随筆でもなく、書き散らかしです)、正字・歴史仮名なんだけど、ゲラの段階で仲間に人気がない。一度聞きたかったのだけど、なんで若い人は歴史仮名遣いで俳句書くの?学生俳人の8割が歴史仮名遣い、という印象なのだけれど、どうい...
View Article10句作品 伴場とく子 束ね髪
画像をクリックすると大きくなります 束ね髪 伴場とく子蒟蒻を煮ただけ二月がもう終わる梅咲いてたんぽぽ咲いてでも寂しどうかしたかと春のメールは優しく来三月の割り印を押し捨て印も春風やタケコプターを借りてゆく鳥雲に入り新着のメールあり合掌は芽吹きのかたち鳥帰る春光や姪の娘の束ね髪錠剤の刻印文字のおぼろにて寂しさがあとひいている四月かな●
View Article週刊俳句 第517号 2017年3月19日
第517号2017年3月19日『週刊俳句』10周年記念オフ会のお知らせ〔第2弾〕懇親会 ≫見る【週刊俳句10周年記念オフ会・企画】句会場を週俳が貸し出します ≫見る【週刊俳句10周年記念オフ会・企画】〔第2弾〕10周年記念連句興行参加者を募集します ≫見る■2016 角川俳句賞落選展 ≫見る■「石田波郷新人賞」落選展 ≫見る■伴場とく子束ね髪 10句...
View Article後記+プロフィール 第517号
後記 ● 上田信治またまた遅刻で申しわけありません。目をつぶって、えいっとあげてしまいます。●4月16日のオフ会をご案内中です。みなさまお誘い合わせの上、ぜひご参加下さい。●それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。no.517/2017-3-19 profile■伴場とく子...
View Article評論で探る新しい俳句のかたち(15) 新しい構文は可能か、という命題(いったんの結びとして) 藤田哲史
評論で探る新しい俳句のかたち(15)新しい構文は可能か、という命題(いったんの結びとして)藤田哲史私がはじめて俳句と出会ったとき、その鑑賞のキーワードはつねに「取り合わせ」と「切れ」だった。これらは俳句についての詩法のキモであると同時に、初心者がしたり顔で用いるのを憚られる聖域でもあった。そして、これらの詩法は俳句独特の語法と分かちがたく結びついていた。いち初心者だった私は、現代語と俳句の語法との隔...
View Article10句作品 ウォーターゲーム 木田智美
画像をクリックすると大きくなります ウォーターゲーム 木田智美駄菓子屋の前のとまれに春の雪錠剤のメッキの甘し雛納北窓をひらきアイロン立てておくゆるやかにウォーターゲームの水温むシーソーは錆びた水色ぎいばたん風船のいくつかアトリエの天井チューリップにやにや笑う星野源ふとん屋の看板猫の名はさくら千円の時計は確か遍路道たんぽぽの綿のよくつく子ども服●
View Article週刊俳句 第518号 2017年3月26日
第518号2017年3月26日『週刊俳句』10周年記念オフ会のお知らせ〔第2弾〕懇親会 ≫見る【週刊俳句10周年記念オフ会・企画】句会場を週俳が貸し出します ≫見る【週刊俳句10周年記念オフ会・企画】〔第2弾〕10周年記念連句興行参加者を募集します ≫見る■2016 角川俳句賞落選展 ≫見る■「石田波郷新人賞」落選展 ≫見る■木田智美ウォーターゲーム 10句...
View Article〔今週号の表紙〕第519号 木瓜と蟻 西原天気
〔今週号の表紙〕第519号 木瓜と蟻西原天気これはもう、木瓜の花と蟻、としか言いようがない。●週俳ではトップ写真を募集しています。詳細は≫こちら
View Article【句集を読む】意味の変容の変容の愉悦 小津夜景『フラワーズ・カンフー』 関悦史
【句集を読む】意味の変容の変容の愉悦小津夜景『フラワーズ・カンフー』関悦史『円座』2017年4月号「平成の名句集を読む」第16回より転載『フラワーズ・カンフー』(ふらんす堂)は昨年(二〇一六年)に出たばかりで、著者小津夜景にとってもこれが最初の本となる。小津夜景は一九七三年北海道生まれ、仏ニース在住の女性である。ネットを見ない層にはまだほとんど知られていない可能性もあるのだが、数年前からしなやかで鋭...
View Article10句作品 篁 堀下翔
篁 堀下 翔おん背中墨つけ給ふ寝釈迦かな涅槃図の諸貝に毛の描かれある円丈に似たる兎や涅槃図に雑魚居るや吹かるゝ如く春水に宿の人靴下ぬれし紫木蓮木蓮の鋭き蕾芽が噛める沈丁とまんさく混じり青かりし鯉食うて竹の秋とは川つめた篁に蜂あつまりて濃うなりぬ焚けのこりたる菜の花に露滂沱●
View Article週刊俳句 第519号 2017年4月2日
第519号2017年4月2日『週刊俳句』10周年記念オフ会のお知らせ〔第2弾〕懇親会 ≫見る【週刊俳句10周年記念オフ会・企画】句会場を週俳が貸し出します ≫見る【週刊俳句10周年記念オフ会・企画】〔第2弾〕10周年記念連句興行参加者を募集します ≫見る■2016 角川俳句賞落選展 ≫見る■「石田波郷新人賞」落選展 ≫見る■堀下 翔篁 10句...
View Article【週俳3月の俳句を読む】見たものと感じたもの 鈴木茂雄
【週俳3月の俳句を読む】見たものと感じたもの鈴木茂雄よく、この句はわかる、この句はわからない、といわれる。コトバが記号化した難解句はさておき、ふつうわからない句というのは読み手に責がある。誤解を与えるような表現をした書き手の責任ではなく、読み手に問題があると考えるべきだろう。詩を読む、ということは思想書を読むということとは違う。ことばの意味をたどり、他者の思考を手がかりに、自分の考えを点検することと...
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